日本学術会議は、わが国の人文・社会科学、自然科学全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関です。

代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   世界若手アカデミー第8回年次総会
    (英文)   8th Annual Conference and General Meeting of the Global Young Academy

  2. 会 期

    平成30年 5月8日~12日(5日間)

  3. 会議出席者名

    岩崎 渉、岸村 顕広、新福 洋子

  4. 会議開催地

    タイ国 パタヤ

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    約40か国、参加者約120名、うち日本人参加者5名

  6. 会議内容  

    総会前の2日間には、新メンバーに対するリーダーシップワークショップが開催され、新メンバーである新福洋子氏が参加した。新メンバー24名が参加し、それぞれがどのようにGYAに貢献したいかを話し合った。新メンバー同士がネットワーキングできるようにGYAが今年から始めた取り組みであった。

    1日目は、オープニングセッションにおける新メンバーの紹介とグローバルヤングアカデミーの紹介から始まった。また、ワーキンググループの紹介のための交流セッションが行われた。午後は、共同議長であるTolu Oni氏とMoritz Riede氏からグローバルヤングアカデミーの活動に関する総括的な発表がなされた。その後、基礎研究、科学外交、オープンサイエンス、女性の活躍促進、若手研究者問題など、各ワークショップに別れての議論が行われた。国際的かつ多様な立場から活発な意見交換が行われ、その後の議論に向けた下地作りがなされた。

    2日目は、朝食時間からワーキンググループの話し合いが始まり、オープリングセレモニーではタイ国立科学技術開発庁(NSTDA)代表Narong Sirilertworakul氏、UNESCO副事務局長Flavia Schlegel氏、Inter Academy Partnership (IAP) 代表Depei Liu氏がグローバルヤングアカデミーへの期待を語った。午前中のプレナリーパネルでは、高齢化が個々の人々に及ぼす影響が議論された。NSTDAシニアアドバイザーYongyuth Yuthavong氏がStay (forever) Youngと題し、科学者の高齢化に関する知識の蓄積と長寿の関係を語り、香港中文大学心理学教授のHelene Fung氏は、歳を重ねても社会的交流や記憶、社会的な判断の視点から、能力の低下が人間の生活に及ぼす影響は少ないことを語った。若手アカデミーからはSuraj Bhattarai氏が高齢化に関する国際的な傾向を語り、精神科医の減少を看護職の増加で支えていると話した。午後には、高齢化が地域に及ぼす影響が語られた。King Mongkut’s Institute of Technology LadkrabangのAgachai Sumalee氏はインターネットやIoTデバイスの応用について語り、東京大学の近藤尚己氏は日本の高齢化の事例から、ガバナンスの重要性やWHOと協働した調査について語った。ケニヤ技術大学のDaniel Ochieng Orwenjo氏は人々が長寿を望んでいるにも関わらず、年をとることへの恐怖があるという矛盾を指摘した。その後メンバーによる高齢化に関連したLightening talkが続き、Co-chairとExecutive Committeeの選挙に向けた話し合いと、候補者のスピーチが行われた。

    3日目は、パピローマウイルスの発見でノーベル生理学・医学賞を受賞者したHarald zur Hausen氏による、感染症とガンの関係に関する基調講演から始まった。続いて、Humans and nature ? environmental aspects of sustainable and healthy longevityをトピックとしたセッションが開かれた。タイFood, Science and Technology AssociationのPavinee Chinachoti氏より食料安全保障・スマート農業に関して、Food Engineering and Technology, ICT MumbaiのShalini Arya氏から生活習慣と健康との関係について、Marine biology and environmental informatics, University College of LondonのJaqueline McGlade氏より、アフリカにおける農業経済についての講演があり、さらにパネルディスカッションが行われた。続いて、科学アカデミー・グローバルネットワーク(IAP)の活動、特にエビデンスベースで公衆衛生に取り組むことへの期待について紹介が行われた。その後、本会議のテーマであるSustainable and Healthy Longevityなど若手科学者に関係するテーマについてのワールドカフェ形式での議論が行われた。 午後は、グローバルヤングアカデミーの各メンバーによる自己紹介プレゼンテーションの後、ワーキンググループに別れての引き続きの議論が行われた。最後に選挙が行われ、共同議長にTolu Oni氏とConnie Vivien Nshemereirwe氏が選出された。また執行委員会メンバーに日本学術会議若手アカデミーの新福洋子氏が選出されたほか、Anina Rich氏、Koen Vermeir氏、Laura Fierce氏、Bach Tran氏、Adewuyi Adewale氏、Shaheen Motala-Timol氏、Rothsophal Nguon氏、Abdalhadi Alijla氏が選出された。

    4日目は、ワーキンググループがこの先1年どのような計画で活動を進めるか、それぞれから発表された。新しい活動を行うIncubatorとして、LGBTや障がい者を含めたダイバーシティを推進するグループが活動の開始を報告し、メンバーに快く受け入れられた。その後、総会の声明が発表され、声明に関連した質問をメンバー間で話し合った。本会議のテーマがSustainable and Healthy Longevityであったため、高齢社会において研究者のイノベーションがどのように影響を受けるか、高齢社会の中で尊厳死は認められるべきかといった質問を小グループで話し合った。その後、新メンバー45名の選出について詳しく説明され、基準を満たした申請書401件をリクルート担当委員で査定基準を用いてレビューし、スコアを付け選定したプロセスが紹介された。査定基準の文言について、アカデミアに所属していない民間の研究者にも申請しやすい内容にすべきであり、そのためにはどう文言を変えるかが話し合われた。新メンバー45名のうち半数を超えた23名が女性であり、これまでGYAに所属していなかった国のメンバーも6名選出され、ダイバーシティの拡大に努めた経緯も説明された。新しく、紛争などで業績を蓄積する機会を失っている国の研究者にも門戸が開かれるような仕組みが話し合われ、試行する方向で話がまとまった。セッションの最後にアドバイザリーボードからコメントがあり、原山優子氏からはGYAが10周年を迎えるにあたり、評価の重要性を語り、その評価に数字のみならずメンバーの声を反映させること、またこの総会に来ることによって個々の研究者へ肯定的な影響があることが語られた。総会が締めくくられ、共同議長、新旧執行委員、事務局のみで執行委員の役割の説明と引き継ぎ、今後のオンライン会議の予定、アドバイザリーボードとの会合の予定などが話し合われた。




会合出席者集合写真 新メンバーとして参加した新福准教授
(右から2人目)
左より岩崎准教授、岸村准教授、GYAアドバイザリーボードメンバー原山優子氏、新福准教授
自身の研究について発表する岸村准教授 執行委員に選出された新福准教授
(中列右から2人目)


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