日本学術会議は、わが国の人文・社会科学、自然科学全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関です。

代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   国際社会科学評議会(ISSC)第121回理事会及び 2015世界社会科学フォーラム(WSSF)
    (英文)   International Social Science Council, 121th Executive Committee Meeting. and 2015 World Social Science Forum

  2. 会 期
      平成 27 年 9月 13日から平成 27年 9月 18 日まで(6日間)
  3. 会議出席者名
      齋藤 安彦
  4. 会議開催地  南アフリカ共和国 ダーバン市
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      理事会:10か国、11人、内日本人1名
      WSSF:  84か国、約1,000人、3人
  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      WSSF:平成27年9月13日から平成27年9月16日
       会議のテーマはTransforming Global Relations for a Just Worl
      理事会:平成27年9月17日から平成27年9月18日
       国際社会科学会議の今後の運営について及び2018WSSFについて

    • 会議において日本が果たした役割

      特になし

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      なし


会議の模様

  • WSSF:

    国際社会科学評議会(International Social Science Council:ISSC)のフラッグシップ活動の一つである第3回世界社会科学フォーラム(World Social Science Forum:WSSF)は「Transforming Global Relations for a Just World」をメインテーマとして、平成27年9月13日から16日まで南アフリカ共和国ダーバンにおいて開催された。第3回WSSFはISSCと南アフリカのHuman Sciences Research Councilを主催者としてProf. Olive ShisanaをChairpersonとして開催された。Prof. ShisanaはISSC理事であり、またISSCの前会長でもある。フォーラムは基本的に午前中の第1セッションをPlenary Sessionとして、その後Parallel Sessionを行う形をとっていた。また、終日ポスターが掲示されており、さらに、口頭ポスター発表というフォーマットも用意されていた。この口頭ポスター発表ではアメリカでGeneral Social Surveyを始めたシカゴ大学のProf. Tom SmithもSurveyに関して発表を行っており、非常に興味深いものであった。

    初日のオープニングではフォーラムのChairpersonであるProf. Shisanaや現ISSC会長のProf. Martinelliおよびフォーラム共催機関を代表してCODESRIAのProf. Sall(ISSC理事)のウェルカムアドレスの続き、ダーバンに在住の環境活動家であるMr. Demondやユネスコを代表してMs. Al-Nashifの講演があった。最後に南アフリカの科学技術大臣であるDr. Pandorの基調講演があり、国内の不平等の存在や女性の地位に関して持論を述べており、非常に興味深いものであった。

    オープニングに続いてParallel Sessionが行われたが、会場によってはコンピュータ関連機器に問題が生じ、セッションが予定通り進まなかったものもあった。午後のセッションは打ち合わせの都合で出席できなかったが、非常に活発な意見交換がなされたと聞いている。初日の夜は、ダーバン市長主催によるレセプションが行われドラムにや木琴によるパフォーマンスが披露された。また、料理はアフリカの参加者を考慮し、ベジタリアンの料理とハラール料理が提供された。

    二日目のPlenary SessionはISSC理事であるThomas Reuterを座長としてISSCの活動の一環であるTransformation to Sustainabilityに関する発表および討議が行われた。FAOやUN Department of Economic and Social Affairsで活躍しているDr. Sundran、インドのDr. Jayati Ghosh、アメリカ人類学会会長のDr. Leith Mullingsの発表に続いて、セッション参加者と活発な議論が交わされた。全体会の後、午前中に9つのParallel Sessionが行われた。午後はユネスコの主催によるMinisterial Plenary Sessionが行われた。9月にニューヨークの国連本部で開かれたGeneral Assemblyにおいて2015年以降の17のSustainable Development Goals(SDGs)が採択された。SDGsの達成はユネスコのManagement of Social Transformations (MOST) Programmeにとっても非常に重要で不平等の解消に向けた努力と政策による対応が議論された。

    フォーラム三日目のPlenary SessionはISSC理事でノルウェーで文部大臣や保健大臣を務めたGudmund Hernesを座長として不平等に関する発表が行われた。ブラジルのMinister of Strategic AffairsであるDr. Nariは自身が深く関与した最低賃金の導入が社会に与えた影響について発表した。続いて、Ms. Poswayoは発表において農村部における女性のエンパワーメントが貧困の解消に欠かせないことを強調した。最後に、1995年から2004年までUNDP Human Development Reportsの筆頭著者であったProf. Fukuda-ParrはHuman Rightsの視点から不平等の要因に関する発表を行った。
    第3回WSSFにおいてはParallel Sessionの他にソーシャルプログラムとして2日目の午後にダーバン市内の貧困地区などの視察と3日目の午後にインドのガンジー元首相にゆかりのある地域を視察する機会があった。

    最終日はPlenary Session、Closing Ceremonyおよびポスターセッションが行われた。Closing Ceremonyに先立ち、Wangari Maathai Lectureが行われ、環境に関するアニメーションが上映された。Closing CeremonyではDeclaration of the 3rd World Social Science Forumが採択された。

  • 理事会

    国際社会科学評議会(ISSC)第121回理事会はWSSFに引き続き平成27年9月17日および18日の二日間にわたって開催された。まず、第3回WSSFについて報告があった。WSSFの主催者である南アフリカのHuman Sciences Research Councilによる最終報告書が作成されるのはまだ先のことであるが、速報値としては84か国から1040人の参加者があり、収支に関しては損益無しとの報告があった。全体会において、ISSCとの事前協議なしにプログラムが追加されたり、会場内の発表用のコンピュータ関連機器に問題が起きるなど、いくつか問題はあったが、フォーラム全体としては成功と言える。また、前日のセッションで発表された内容などをリーフレットにして配るなど、フォーラム運営に工夫が見られた。ただし、リーフレットの作成は研究者ではなく、ジャーナリストが行っていたようで、発表の内容を正確に伝えていない記事もあったことが指摘された。

    続いて、新しい機関の参加申請について討議が行われ、参加を認めた。

    次に、重要事項として、今後ISSCの運営をどのようにしてくかが話し合われた。今年2月に当時ISSCの事務局長が辞任したのを受けて、9月の理事会までActing Executive DirectorとScience Officerの二人で、事務局長の職務を代行してもらうことを3月に開催された臨時理事会で決定していた。今回の理事会では、新しい事務局長の公募をせずにしばらくはISSCの内部事情に詳しい当時のScience OfficerをInterim Executive Directorとし、運営を任せることとした。事務局長の公募等に関しては来年行われる予定であるGeneral Assemblyで議論されることになる。

    午後はISSCの活動報告がなされ、理事の了解が得られた。活動の内容は

    1. 1. World Social Science Report 2016:内容はInequalityがメインテーマで、第3回WSSFのメインテーマと非常に密接に関係している。来年の出版に向け着々と準備が進んでおり、UKのInstitute of Development Studiesとの共同出版となる。また、出版に向けユネスコからも資金援助が得られることが報告された。
    2. 2. World Social Science Fellows 2015:これは次世代を担う若い研究者を育て、ネットワークの構築を図るためのプログラムである。Sustainable Urbanisationのシリーズ3回はWSSFに先立って9月9日から13日まで行われた。その最終日にWSSFの一部として成果の報告があった。また、今年11月に中国の昆明で開催予定のBig Data in an Urban Contextへの参加申し込みがすでに締め切られ、参加者の選定に入っているとの報告もあった。
    3. 3. Transformation to Sustainability Programme:昨年9月から今年3月までをカバーするSeed Grantを38の申請書採択者に交付したがその報告書が提出されており、これからその検証をする。また、Seed Grantを交付された38の申請者のうち、37の申請者が今年3月31日を期限として公示したTransformative Knowledge Network 助成金に申請している。合計99の申請書を受け取り、その中から8つの申請書を選択した。最終的には3つの申請書を選定することになる。

    以上の活動に加え、Trans-Atlantic PlatformやScience PrizeであるStein Rokkan Prizeの受賞者の報告があった。2014年の受賞者はドイツのProf. Chiristian Weizel、2015年の受賞者はドイツのProf. Marius Busemeyerであった。また、来年はGeneral Assembly(GA)を開催する年に当たるため、その開催地を決める必要がある。現在、ノルウェーから開催の申し出があったが、いくつか理事会において対応を議論することが必要で、2日目にその議論を行うことを確認した。1日目の最後に、2015年および2016年の会計報告があり、承認された。

    理事会2日目はGAの候補地である、ノルウェーのオスロに拠点を置くResearch Council of Norway(NFR)からの提案への対応を協議した。まず、GAがNFRが当初考えていた規模以上に大きいものであったため、費用の削減を考える必要があった。議論の結果、これまで、GAは同時に開催されるScience Programを含めて5日程度必要としていた。しかし、費用削減の観点から開催日数を3日にしてNFRに提案することを決めた。これは、ISSCのスタッフおよび理事の宿泊費を負担するNFRにとっては非常に大きな費用削減になる。次に、Science Programのテーマについて議論した。結果、Migrationをテーマとして提案することになった。理事の一人であり、元ISSC会長およびノルウェーのベンゲル大学の教授であるHernes Gudmundがコンセプトノートのドラフトを作成し、全理事に送ることが確認された。

    もう一つの大きな議題は2018年の第4回WSSF開催の候補地である。様々な議論がなされ、最終的にInterim Executive Directorが議論の内容をまとめ、招致候補あてにメールを送ることが了承された。

    最後に、翌年のGAでISSCの規約の改正を計画しているため、規約に関して議論が行われた。元規約上、規約の改正はGA開催の12か月前にISSCメンバーに通知を出す必要があるため、今後理事間でメール上での議論を続けることが確認された。

次回開催予定
 WSSF:2018年
 理事会:2016年4月

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