日本学術会議は、わが国の人文・社会科学、自然科学全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関です。

代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第27回高エネルギーレプトン・フォトン相互作用シンポジウム(LP15) およびIUPAP C11 meeting

  2. 会 期
      平成 27年8月17日~22日(6日間)
  3. 会議出席者名
      野尻 美保子
  4. 会議開催地
      スロベニア共和国(リュブリャナ市)
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      9ヶ国、約100名、35名
  6. 会議内容  

    [ IUPAP C11概要 ]
    C11の主催会議としてそれぞれ2年に一度開催されるLepton PhotonとICHEPがあり、世界的な協調によって推進される素粒子物理の研究者をつなぐ重要な役割を担っている。ICHEPはパラレルセッションもあることから800人程度、Lepton Photonは250人程度の参加者がある。また、世界の高エネルギー実験施設の所長のあつまるICFA会議もこの会議と合わせて開催される。
    2015年は新議長としてJuan Fuste、副議長としてHeidi Schellman、秘書としてSoo bong Kim氏が選出されている

    • 会議の準備状況の報告が行われた。2016年のICHEPの報告において、とくに巨大な国際会議の準備国際情勢の変化にともない、ビザ等の制限が正常な国際会議運営に大きな負担になっていることが報告から読み取れた。 この点についてはIUPAP全体での議論が必要ということになった。
    • IUPAPでは2008よりYoung Scientist Prizeを設立し、2年に一度1000EUの賞金とメダルを授与しており次回のノミネーションが11月に開始される。
    • IUPAPでは加速器科学に関する新しいcommisionを設立すること検討し、Advisory working goupを暫定的に設立すつと決定した。7つのcomissionとWGの委員長にwoking groupに2名をのミネートすることを依頼している。 既存のIUPAPのWGであるICFA( Internatinal committee for Future accererator Physics )は新WGとカバーする範囲がかぶるため、調整が必要になっている。
    • Lepton Photon会議は、Reviewのみの会議であったが、若い研究者の発表を行わない会議への参加が難しくなっているために、参加者が減少する傾向にある(今年度の参加者は220名, 26カ国から参加があった)。 発表の機会の多い話題を絞った会議は参加者が増える傾向にあるが、人的交流や若手研究者の視野の広げる会議は重要であり、会議の運営に若干の変更を加えることが合意された。

    [ Lepton Photon 概要 ]
    会議は素粒子物理学の分野でこの一年間でもっとも重要な進展について、講演が行われる。本年度はCERN LHCが新たに13TeV のエネルギーで実験を開始し、まだルミノシティは小さいものの、着実にデータを蓄えていることが報告された。来年度からはいよいよ30fb-1 /年で実験データを蓄え、新粒子の探索が本格的に開始される。加速器の状況については、高いエネルギー、高い衝突回数の実現を目指す運転の中で、高い電電荷をもつビームが存在するためにおこる電子雲の問題、デブリの存在のなどの改善を必要とする点が明らかになり、CERN では解決するための努力が払われている。また、CMS 測定器の冷凍機に不調があり、注意深い運転が行われている。これらの問題点については、冬のシャットダウンでさらなる調整が行われると期待できる。

    昨年までの8TeVの実験データの整理も着実に行われており、LHC実験の大きな 目的の一つである、新物理の探索に関わる結果が報告された。ATLAS CMSなどでは,Z+ missingや lepton + missingなどのチャンネルに異常が報告されている。これらは超対称粒子の存在などで説明が可能がものであり、このデータの示唆する領域を今後のLHC実験でどのように探査していくが重要な課題となっている。一方で、2TeV 程度に未知の粒子が生成されW ,Zベクトル粒子に崩壊したと解釈されるようなデータが報告された。信号自体はまだ確定的ではないが、この解析で使われたジェット構造の技術が実際に新物理の探査に力を発揮しうるということが示された点で重要である。

    LHC 実験の新物理の探査を行うには標準模型の理解が重要になる.QCD のプロセスのより高次の計算がなされ、特にトップの断面積の高次計算に大きな進展があった。またヒッグス生成断面積の高次計算もすすんでおり、理論的不定性をよりコントロールして13TeV のデータを解析する準備が整っている。
    また、Bの物理、ニュートリノ、ハドロン、宇宙線などの新しいデータも報告された。
    特に日本発の物理としては、来年度からはBelle II実験が開始される。LHCb, Babar, Belle実験ですでの報告されているボトムクオークからストレンジクオークへの崩壊に見られる標準模型からのずれが、Belle II実験でどのように現れるかが注目される。

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