副会長室(24期)

三成 美保 副会長 (組織運営及び科学者間の連携担当)

このたび副会長に任じられた三成美保と申します。日本学術会議の組織運営担当として、とくに3つの課題に重点的に取り組む所存です。

第一は、科学者委員会の機能を拡充することです。科学者委員会は、科学者コミュニティに関する様々な問題を審議する役目を負っています。専門性を発揮して人類・社会・地球に関わる全体的利益に貢献するという科学者の責務を十全に果たせるよう、真摯かつ寛容な言論空間を作りたいと考えております。

第二は、女性活躍を推進することです。量(数)は、確実に質(内容)を変えます。日本学術会議は率先して女性会員比率を高めるべく努力してまいりましたが、その結果、提言やシンポジウム等において、男女共同参画、ワークライフバランス、少子高齢化など、女性の生活経験に根ざしたテーマがしばしば取り上げられようになりました。学術の世界における女性の活躍を広く政治や経済、地域社会での女性活躍と連動させるよう努力したいと思います。

第三は、若い世代の活躍を支援することです。日本学術会議には、45歳未満の会員又は連携会員から構成される若手アカデミーという組織があり、多様な活動を行っています。他方で、科学・学術の世界は、構造的危機とも言うべき現状を抱えています。そのひずみを是正するべく、若手研究者のニーズを十分に汲み取りながら、科学・学術の未来を展望する道筋を考えたいと思います。

これらの課題はもとより一人で果たせるものではありません。会長や他の副会長と緊密に連携しつつ、学術会議会員・連携会員の皆さまの幅広いご協力を仰ぎたいと存じます。何よりも、国民の皆さまのご理解とご支援が不可欠です。どうぞよろしくお願い申し上げます。

渡辺 美代子 副会長 (政府、社会及び国民等との関係担当)

日本学術会議第24期会員の総意で選出された山極会長のもとで、「科学と社会」担当副会長を拝命いたしました。

学術を含めた世界の情勢は日々変わりつつあり、社会のあり方とその変化に科学が重要な役割を担うことが今ほど必要とされる時期はありません。多くの人々のために公平かつ冷静な判断を提供できるのが科学であり、今こそ、その責任を果たすことが期待されています。

しかし、一方では、科学という専門的知識を持つ科学者コミュニティが、社会的な問題について人々とどう対話し、協力し、問題を解決していくのか、簡単に答えが出る状況にはありません。社会と一言で言っても、そこには政府、メディア、産業界、そして市民の方々、また国内に留まることなく世界の人々との関係も重要になっています。

このような難しい状況にあるなか、あらゆる分野の科学者からなる科学者コミュニティの代表機関である日本学術会議には、利害関係にとらわれず、真摯に社会と向き合うことが求められています。そのためには、社会の危機と課題を把握し、科学が果たすべき役割を考え、時代に即した科学と社会のあり方を模索しながら、社会の人々とよりよい関係をつくり、共に歩みながら平和な社会を実現していく必要があります。

日本学術会議の会員と連携会員はもとより、そこに関係する皆様、そして広く社会の皆様と対話し、支えていただきながら、科学者コミュニティとして社会に責任ある発言と行動をしていけるように貢献したいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

武内 和彦 副会長 (国際活動担当)

山極会長の指名により第24期の国際担当副会長に就任いたしました。東京大学や国連大学での私の国際経験・人脈を活かしながら、日本学術会議の国際展開に微力を尽くす所存ですので、皆様の温かいご支援を心よりお願いいたします。

さて国際分野では、International Council for Science(ICSU)International Social Science Council(ISSC)の統合によりInternational Science Council(ISC)が2018年に創設されることが決定しました。人文・社会科学、生命科学、理学・工学の3部にまたがる日本学術会議は、統合されるISCのいわばロールモデルとなりうるものであり、その発展に大きく貢献することが期待されています。

また、第23期に日本学術会議が精力的に取り組んできた持続可能な地球社会の実現をめざす国際協力プラットホームであるフューチャー・アースをさらに推進していくことが求められます。科学者を含む多様なステークホルダーの参加により、科学と社会が協働できる道筋を示し、超学際研究アプローチにより、地球的課題の解決に向け貢献していくことが期待されます。

さらに、2030年までに国際社会がその達成を目指す持続可能な開発目標(SDGs)に対して、日本学術会議として貢献していく必要があります。私は、第23期環境学委員長としてSDGsに関する「報告」をとりまとめましたが、そこでは多様な目標・ターゲット間のシナジーを高め、トレードオフを回避するような統合的・包括的アプローチの確立に向け日本学術会議が国際社会と連携し取り組むことを求めています。

そのほか、さまざまな学術分野での国際的プレゼンスがますます向上することを目指して、会員・連携会員・事務局の皆さんとともに頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

副会長室(24期)