代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文)北極科学サミット週間2024
(英文)Arctic Science Summit Week 2024 - 会 期
令和6年3月21日から令和6年3月29日まで(9日間) - 会議概要
- 会議の形式:総会
- 会議の開催周期:年1回
- 会議開催地、会議場:英国エジンバラ市、エジンバラ大学
- 会議開催母体機関:国際北極科学委員会(IASC)
- 会議開催主催機関及びその性格:国際北極科学委員会(IASC)は政府間組織である北極評議会(AC)のオブザーバーであり、ACと連携を取りながら活動を行なっている科学委員会である。IASCは科学的なアドバイスや科学の進展に対しての援助も行なう。また、自然科学ばかりではなく北極研究に関する全ての分野を網羅している。
- 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
参加国 :日本、アメリカ合衆国、英国、カナダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、デンマーク、ドイツ、フランス、スイス、中国、韓国、ポーランド、チェコ、スペイン、ポルトガル、イタリア、オーストリア、インド、オランダ、ベルギー他。
参加国数:30か国
参加者数:873名(現地参加621名、リモート参加252名)(うち日本人約20名)
日本人参加者:榎本浩之・特任教授・国立極地研究所
猪上淳・教授・国立極地研究所
末吉哲雄・特任教授・国立極地研究所
青木輝夫・特任教授・国立極地研究所
内田雅己・准教授・国立極地研究所
當房豊・准教授・国立極地研究所
大西富士夫・特任准教授・北海道大学
吉森正和・准教授・東京大学
竹内望・教授・千葉大学
菊地隆・センター長・海洋研究開発機構
木村元・海洋研究開発機構・技術主任
檜山哲哉・教授・名古屋大学 - 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
会期:2025年3月20日から 2025年3月28日まで 9日間
開催地:ボルダー市(アメリカ合衆国)
準備組織:(主催機関)コロラド大学
テーマ:北極の科学と将来
- 会議の学術的内容
- 日程と主な議題:
3月21日 北極観測責任者フォーラム
3月22日 IASC の雪氷WG会合
3月23日 SAON 発表会IASC評議会
3月24日 IASC ExComm打ち合わせ
3月25日 ICARP会合
3月26日 IASCメダル講演会
3月27日 AOS ICARP IV検討会
3月28日 AOS ICARP IV検討会
3月29日 AOS ICARP IV検討会 ASSW クロージングディスカッション - 提出論文:
北極の科学現状(State of Arctic Science)の更新のために、各WGの日本代表から活動情報を提出している。北極研究長期計画(ICARP IV)への6つの優先分野に対して提案文書を出している。
- 学術的内容に関する事項:
2025年にまとめられる北極研究長期計画(ICARP IV)の検討、国際極年(IPY)2032年への準備。
- その他の特記事項:
IASC副議長の選出があり、チェコ、日本の2名の候補者に対して投票の結果、日本から榎本が再任された。任期は3年である。
ASSW2027に対して、日本とドイツの2か所の立候補に対して投票が行われ、日本(函館)に決定した。
ICARP IVの優先テーマの検討グループメンバーに、日本から14名が入った。180名のメンバーのうち、上位4か国に入る大きな人数である。
- 日程と主な議題:
所見
今回は2025年にとりまとめを目指している長期プランICARP IVに関するセッションが多く開かれた。トピックごとに選出された検討チームRPTを中心に、情報交換や議論が行われた。日本からも5つのグループに若手も含む14名のメンバーが入っており、開催地・アメリカ合衆国を除けば、ノルウェー、カナダと並ぶ上位関与グループに入っている。
会議では、国際学術会議(ISC)とのパートナーシップが確認された。特にISCはIPY2032/33とかかわり連携が増えると予想される。
クローズドセッションで、今回改選となる副議長(4名中1名)の選挙があり、2名の候補から日本(榎本)が継続して選出された。またASSW2027の開催場所について、投票により日本(函館)に決定した。
AOS(北極観測サミット)では多くのブレイクアウトセッションの構成があり、先住民に関する話題が多く議論され、まとめ報告が若手の参加により行われた。
日本は、ICARP IVへのRPT参加(5トピックに14名。日本からの長期構想の提案活動についても、いくつかの場面で紹介)や、前回のICARP IIIからの情報提供、今回のIASCメダル受賞者との協力関係、SAONの運営メンバー、ファンダーズフォーラムASFF議論への協力、そしてIASC ExComm再選、ASSW2027開催決定など様々な関与があった。ASSW2027やIPY2032/33などを視野に、IASCフェローを含め、日本への期待に応えることと、次世代への接続を行うことは課題である。
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ASSW2024会議会場 |
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会議参加者 |
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各国の代表が集まる会議室 |