代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) 国際地形学会議地域大会
(英文) International Association of Geomorphologists, Regional Conference on Geomorphology - 会 期
令和元年9月19日~21日(3日間)
- 会議出席者名
藁谷哲也
- 会議開催地
ギリシャ共和国・アテネ
- 参加状況 40か国,400名,日本人3名
- 会議内容
日程及び会議の主な議題
9月18日(水):アジア地域における地形学研究の将来活動
9月19日(木):登録,開会式,招待講演2件,地形学におけるハザードとリスクのセッションなど(発表76件),各国代表者会議
9月20日(金):招待講演1件,地震と地殻変動セッションなど(86件)
9月21日(土):招待講演1件,人新世・地考古学と社会のセッションなど(84件),閉会式会議における審議内容・成果
各国代表者会議では,おもに国際地形学協会が国際的な非営利組織(NPO)として登録されたことに伴って作成された定款,および協会運営に関する議事などが報告,審議された。また,これまでアジア圏の加盟が少なかったが,新たにインドネシア,スリランカ,ミャンマーの加盟やコンゴ,コスタリカほか4グループ12か国の加盟を承認し,より一層地形学研究の普及と国際的なネットワークの構築に弾みがつく見通しとなった。一方,セッションでは14セッションに分かれて合計246件の研究発表があった。このうち地形変化に関わるハザードとリスクに関するセッションでは,日本人が座長を務めた。会議において日本が果たした役割
その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
会議の模様
紀元前から高度な文明を育んできたギリシャでは,これまでたびたび地震や火山噴火に伴う津波被害が生じてきた。このため,このような災害や地形変化に関する発表が多く行われた。それらの多くはLIDAR,UAVなどからつくられた詳細なDEMや人工衛星によるDEMデータをもとに,GISで空間分析するという手法がこの分野で定着していることを示している。一方,浅海底に沈んだ遺跡の地形学的条件を分析するために,無人の海底探査機が紹介されるなど調査の無人化が進んでおり,日本の未開拓領域を認識した。
近年,日本からの参加者が減少傾向にあるが,今般の会議でもその傾向が認められた。その理由として,開催場所が欧州で,かつ多くの日本の大学の講義が9月下旬から始まるという開催時期の問題が考えられる。今後,日本人による研究活動のアピールには開催時期のすり合わせが重視される。
次回開催予定:
令和2年10月26日にイラン北部のマシュハドで地域大会が、また令和3年9月6~10日にポルトガル・コインブラで本会議が開催される予定である。
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