代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第20回国際第四紀学連合大会
    (英文)   XX International Union for Quaternary Research (INQUA) Congress

  2. 会 期

    令和元年 7月 25日~ 31日(7日間)

  3. 会議出席者名

    出穂雅実

  4. 会議開催地

    アイルランド(ダブリン)

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    参加国数75か国、参加者数2539名、日本人参加者58名

  6. 会議内容  

    7月25日から31日までの会期のうち、中日の28日を除いて前半と後半の3日間に研究発表や基調講演が行われた。また、初日の午前と最終日の午後にはそれぞれ全体開会式と総会・閉会式が行われた。プレナリーでは、基調講演が合計で6件、受賞講演が3件行われ、一般発表では139のセッションで2661件の発表が行われた。7月25日、27日、30日の午後に行われた国際評議員会が開催された。
    25日は、前回議事録の確認、前回の2015年名古屋大会以降の理事会の活動報告(会長、事務局長)、会計報告、研究コミッションズ報告、研究コミッションズ委員の選挙等が行われた。
    27日は、INQUA基金の設立について(会長)、会則・附則の改定(前会長)、次期役員の立候補発表と投票、次回大会の招致発表(インド、イタリア)が行われた。
    30日には、渉外活動報告(会長)、会員規定の改定(副会長)、ダイバーシティ拡大活動報告(会長)、出版委員会報告(副会長)、終生名誉会員の承認、および次期開催地の票決が行われた。
    これらの結果、日本からは次期の人間生物圏コミッション副委員長に出穂雅実現副委員長(首都大)が再任され、終世名誉会員に故熊井久雄氏(大阪市立大)が選出された。



会議の模様

今回の大会のタイトルは「Life on the Edge」(崖っぷちの人生)であった。今日の地球環境問題のメタファーであろう。地球環境と人類の今日、そして将来を考えてゆくために、その基礎として過去(第四紀)を知るための研究がますます重要になってきていることを実感できた。今回大会の各セッションで議論された内容は、もちろんそのすべてを把握できたわけではないが、第四紀研究を構成する領域毎の詳細かつ正確な研究を土台としつつも、国や地域を越えた学際的研究をさらに旺盛に企図し、今日の環境問題やより良い将来をつくるために貢献するという眼差しをもつものであったと感じた。第四紀学の今日的意義や果たすべき役割がますます大きくなっていて、各国の研究者は積極的に貢献しようとしている。日本の第四紀学においても、このような方向性をしっかりと共有してゆくことが大切だと認識できた。

次回開催予定
次回大会は2023年7月末にイタリア・ローマ市で開催されることに決定した。


アイルランド・ダブリンで行われた第20回国際第四紀学連合大会の様子

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