代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) 第7回太陽地球系物理学科学委員会(SCOSTEP)VarSITI運営会議 及びVarSITI 最終シンポジウム
(英文) The 7th VarSITI Steering Committee Meeting and VarSITI Completion Symposium - 会 期
令和元年 6月10日~令和元年 6月14日(5日間)
- 会議出席者名
塩川和夫
- 会議開催地
ブルガリア国 ソフィア市
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
18か国、参加者数:約90名、うち日本人参加者:9名
- 会議内容
日程及び会議の主な議題
VarSITI最終シンポジウムは令和元年6月10-14日にブルガリアのソフィアで開催された。この期間中の6月11日には、第7回SCOSTEP/VarSITI運営会議が開催された。VarSITI(太陽活動変動とその地球への影響)プログラムは、SCOSTEPが2014-2018年に推進する唯一の国際協同プログラムである。VarSITI最終シンポジウムでは、VarSITIのこれまでの科学成果を報告し、成果のとりまとめの方針と次期のSCOSTEPのプログラムなどについて話しあった。6月11日に開催された第7回SCOSTEP/VarSITI運営会議では、VarSITIの2名のCo-chair(共同議長)と4つのプロジェクトのProject leaderが集まり、プログラムの今後の運営方針について話し合った。この運営会議の議題は以下の通りである。
・VarSITI最終シンポジウムの特集号の方針と掲載雑誌について
・令和元年11月11-15日に予定されているVarSITI summarizing workshopについて
会議における審議内容・成果
太陽は周期11年で活動度が変化するが、2009年から始まった第24太陽周期では活動度がここ100年の間で最も低くなっており、世界の研究者がその振る舞いに注目している。ICSU(国際科学委員会)傘下のSCOSTEP(太陽地球系物理学科学委員会)は、2014年からの5年間に国際プログラムVarSITI(太陽活動変動とその地球への影響)を実施してこのような太陽活動変動とその地球周辺の電磁環境や地球気候に与える影響を理解・予測するための国際協同研究を進めている。今回のシンポジウム及び運営会議でも、この太陽活動の変動とその地球への影響について活発な議論が交わされた。
会議において日本が果たした役割
筆者はVarSITIの国際共同議長をつとめており、筆者を中心として名古屋大学宇宙地球環境研究所はこのVarSITIの推進を国際的に主導してきた。VarSITIは現在、世界70か国から1000名を超える研究者が登録しており、宇宙地球環境研究所ではこの研究者のためのメールリストの整備や、3か月に1回の国際ニュースレターの発行などを行ってきた。本シンポジウムと運営会議でも、国際共同議長としてその運営を主導した。
会議の模様
これまで別々のコミュニティとして発展してきた太陽・太陽圏物理学の研究者と、磁気圏・電離圏・大気圏物理学の研究者の間の垣根をなくし、太陽活動変動が地球の磁気圏・電離圏・大気圏に与える影響を理解して人類の発展に貢献するのがSCOSTEP/VarSITIの役割である。会議ではこの両分野の研究者の間で議論が進みつつあると感じた。次回は、VarSITI運営会議のメンバーを主体とした10-15名程度の少人数で令和元年11月11-15日に名古屋大学宇宙地球環境研究所でVarSITI Summarizing Workshopを開催し、VarSITIの5年間の成果をレビュー論文として、日本地球惑星科学連合が出版するin Earth and Planetary Science誌に投稿していく予定である。
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会場内 | |
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