代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   宇宙空間研究委員会(COSPAR)総会プログラム委員会、シンポジウムプログラム委員会、科学諮問委員会
    (英文)   2019 Scientific Assembly Program Committee, COSPAR Symposium Program Committee, COSPAR Scientific Advisory Committee

  2. 会 期

    2019年3月18日~20日(3日間)

  3. 会議出席者名

    中村 卓司

  4. 会議開催地

    フランス・パリ

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    12カ国、34名、2名

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      3月18日(月) 総会(Assembly)プログラム委員会 (34名参加)
       2018年の総会LOCからの報告があった。1000人に聞いたアンケート結果が紹介されたが、かなりバイアスがかかっている感あり。Q&Aで、若手の旅費サポート状況(130名をサポート)の質問や、シドニーでのポスターの印刷便宜供与や電子化について提案があった。後者は前向きに検討とのこと。4285件のアブストラクトで370件がwithdrawとの報告であったが、ZARMのテクニカル部門の指摘では口頭発表2845件中、投稿システム(ZARM)によると約280件はプレゼンファイルがアップロードされなかったとのことで、数字以上にキャンセル数が申告であったことが浮き彫りになった。
       2020年シドニー総会の準備状況報告があった。新しい会場で、場所はコンパクトにまとまっている。LOCプレゼンで紹介されたホテルは350-400ドルで高すぎるとの指摘があったが、安い物もあるとの回答であった。また、実際のアブストラクト投稿数に応じてイベント(セッション)の長さは調整するとのことであった。
       2020年シドニー総会のイベントについて各委員長から説明があったが基本的に開催が認められた。

       Interdisciplinary Talkの候補が議論され、日本からは國中ISAS所長(はやぶさ、はやぶさ2:SC-B,C分野)が推薦され、理事会に付議された(その後理事会で承認とのこと)。

      3月19日(火) シンポジウムプログラム委員会 9カ国17名参加(露、イタリア、米、仏、イスラエル、中国、豪、日、独) 開催地のイスラエルからNoah Brosch氏とMorris Podolak氏が参加し議事を進行した。
       11月4日(月)―7日(木)の3日半の会議とし、金曜日はエクスカーションとする。水曜午後にもエルサレムツアーが予定されている。
       ホテルは190ドル/泊、4-5人まででシェアするホテルの場合、総計200ドル弱/泊。
       参加費は450-650ユーロ(学生は200-300ユーロ)(昼食込み)。
       直前の10月28日―11月1日に能力開発(CB)ワークショップを開催。
       アクションアイテムとして、アストロバイオロジーおよび小型衛星試験のための気球に関するセッションを加えること、MSO,DOに確認をとること、Von Steigerにロードマップに関する招待講演を依頼すること、PEのイベントを加えること、WEBに最新のイベント状況を掲示し、招待講演、宇宙機関代表パネルの参加者、CBの情報、安価なホテルの情報をのせ、投稿時に若手サポートのための寄付を促す機能をつけることなどが指摘された。

      3月20日(水) 科学諮問委員会(コミッション・パネルの長のためのCOSPAR戦略セミナーの報告および意見交換会) 露、仏、米、ギリシャ、日、独など19名が参加。
        2018年12月3-4日開催のCOSPAR戦略セミナーの報告をし、コミッション/パネルの長と意見交換する場として設けられた。議論のポイントは2点あり、COSPAR財務の継続性と、COSPARの影響力である。事前に送られた「The COSPAR Strategic Action Plan,2019-2023, A Return to Prominence」と題するFISK会長から理事会あての文書に基づいて説明があった。なお、財務に関しては、今後10年程度で新たな収入源が必要であるという状況下で、イスタンブール総会キャンセルのイベントが発生したため、10年といわず喫緊の課題となってしまった。毎年10万ユーロ程度財務状況が悪化している。現会長FISKの任期中に解決したい。
        文書中にある主な行動指針は下記のとおりである。
       ・国際的な宇宙科学研究の推進と、結果、情報、意見の交換
       ・地政学的緊張が障害とならないような活発な国際的宇宙科学の推進
       ・倫理的に実施された科学研究の結果が発表・出版されるよう要請
       ・多様性と男女共同参画を推進し、差別やハラスメントを許さない。
       ・将来国際宇宙科学で活躍する若手を奨励
        財政については、総会におけるアブストラクト投稿料金の徴収と、サポーター(現8組織)のカテゴリーを増やしてサポーター収入を増やすことが挙げられている。また、ICSUからISCへの統合に対応するために、社会人文科学のパネルを立ち上げる。

    • 会議において日本が果たした役割

      宇宙科学分野の主要国のひとつとしてプログラム委員会等に日本から委員を派遣し、これまでの経験も踏まえて積極的な情報提供や意見表明を行い、COSPARの重要な活動の一つである総会およびシンポジウムの運営に貢献した。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      特になし。



会議の模様

本年は、総会の1年前のプログラム委員会であったため詳細な詰めの議論はなかった分、各種意見交換は活発であったかと思われる。アブストラクト投稿料の徴収という新しい収入源を議論できたことは有意義であった。またプログラム委員はかなりのコミッション/パネルで新たなメンバーに替わっていた。

次回開催予定:
2020年3月16-18日

このページのトップへ

日本学術会議 Science Council of Japan

〒106-8555 東京都港区六本木7-22-34 電話番号 03-3403-3793(代表) © Science Council of Japan