代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) 国際地質科学連合理事会および執行委員会、並びにIUGS認定巨大科学フォーラム
(英文) 73rd IUGS Executive Committee Meeting, Bureau Meeting and Forum on “Deep-time Digital Earth (DDE)” Big Science Program - 会 期
2019年 2月 25日 ~ 3 月 2日(6日間)
- 会議出席者名
北里 洋・大久保泰邦
- 会議開催地
中華人民共和国・北京市
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
参加国数 22カ国; 参加者数 81名;日本人参加者 2名
- 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
2月25日 事務局会議を開催した。理事会の議事次第を確認するとともに、主要な課題、会計上の問題点について事前打ち合わせを行った。その後、ユネスコ本部の会議場を視察した。
2月26日 IUGS認定巨大科学 (Deep-Time Digital Earth (深部過去デジタル地球)) キックオフシンポジウム。巨大プロジェクトの趣旨と目標、組織、関連学協会による連携締結式、巨大データベースづくりに関する戦略、地球環境変動、生物進化モデル構築に向けた戦略といくつかの例について紹介された。夕刻から Li Jinghai 博士(中国学術振興会理事長、ISC Vice President)を迎えてレセプションを行なった。
2月27~28日 理事会(IUGS関係者、UNESCOメンバーなどオープン参加) を行い、IUGS 執行部から年次報告を行ったのち、IUGS傘下の各委員会、関連学協会から2018年度活動報告を受け、成果、運営のあり方などについて議論を行った。
3月1~2日 理事会(理事会メンバーのみ参加)を行い、役員改選にかかる候補者選考にかかる段取り、現在、余裕がある財政を用いて、どのように分野の振興につなげるファンディングを行うかについて議論した。また、2019年度予算とくに各委員会に分配する活動資金を2018年の活動報告を勘案しながら決定した。
- 会議における審議内容・成果
本会議は、理事会および事務局メンバーによる執行委員会であり、傘下の各委員会、加盟学協会からの報告がほとんどであった。各委員会からの報告がなされたうち、とくに目立った活動としては2件あった。
* IUGS Initiative on Forensic Geology (犯罪地質学)が国際的に重要な分野に育っている。犯罪捜査において地質学的な証拠が重要である事が示され、CSIのようなドラマの世界だけではなく、現実にも犯罪捜査に地学的な証拠が役立っている事が印象的であった。
* IUGS Task Group on Professional Geologist では、地質学分野における様々な倫理問題を取り上げて議論している。 学問を進める上でEthics 問題は、昨今、様々な局面で取り上げられており、各学協会にもそのための委員会がもたれるなどしており、今後の活動を見守りたい。
- 会議において日本が果たした役割
理事会では、北里が財務担当理事を務めており、IUGSの会計全体を管理しており、来年度の予算案作りに当たっても、議論をリードした。委員会活動では、Task Group on Geohazards が動いており、大久保泰邦氏がチェアーを務めている。日本を含むプレート収束境界では、極端な地学現象に伴う災害が頻発しており、地質学的な視点からの地盤災害の理解と減災に向けた活動が急務になっている。明確な科学目標を立て、確実な成果を出し続ける事が、日本の地質科学の実力を評価してもらうことにつながると考えられ、理事会メンバーからも成果を上げる事が期待されている。
- その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
特にない。
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
IUGSはICSU 傘下の国際組織としては最大規模である。地球科学系の6つの国際組織と共同してGeoUnion を結成し、地球規模の問題への取り組みを含めて、活動している。 2018年9月にICSUは、社会科学系のISSUと合併し、ISC になった。新しい組織で、いかに効果的に発言し、影響を持ち続ける事ができるか、問われている。
次回開催予定 2020年 1月末(スペイン・マドリッド)
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bureau meeting | DDE Forum group photo | DDE Forum session chairを William Cavazza と務める |
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executive committee dinner | ISC vice president, secretary とともに |