代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第13回国際学術団体人権ネットワーク隔年会合
    (英文)   The 13th Biennial Meeting of the International Human Rights Network of Academies and Scholarly Societies

  2. 会 期

    2018年10月24日~27日(4日間)

  3. 会議出席者名

    髙山 佳奈子

  4. 会議開催地

    ソウル市 The K-Hotel Seoul

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    30か国約50人、日本人1人

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      10月24日・レセプション

      10月25日午前・国際人権の最近の動向に関する基調報告とパネルディスカッション、午後・持続可能な開発目標に関する基調講演とパネルディスカッション

      10月26日午前・各アカデミーの活動状況に関する報告と討論、昼・科学者に対する人権弾圧の具体例の報告、午後・地域別グループのワークショップと全体報告

      10月27日午前・若手研究者を交えた討論会、午後・エクスカーション.

    • 会議における審議内容・成果

      (1)身柄拘束などの従来型の人権侵害のほかに、情報操作・監視などの高度な技術による新たな侵害・リスクが生まれており、その対策が国際人権上、今後極めて重要になることが確認された。

      (2)国連のうち出す「持続可能な開発目標」が今後国際人権に関する活動でも活用できることが確認された。

      (3)研究者の身柄拘束や全般的な人権制限が起きている国・案件の状況、および、難民となっている研究者とホスト国による受入れ状況が紹介され、ネットワークとして国連などに必要なはたらきかけを行っていくことが確認された。

    • 会議において日本が果たした役割

      全体ワークショップおよび地域別ワークショップでの討論に参加した。

      ネットワーク本体から送られて来る個別案件の情報は必ずしも国ごとのアカデミーの関心に合わせたものではない。より深い関与を実現するために、ネットワーク事務局に追加情報を照会することが考えられるとの提言を行った。事務局からは、情報の取り寄せは個別の依頼に対しても可能であるので積極的に活用してほしいとの回答を得た。

      地域別活動として、国際人権に関するアジアからの発信力はまだ大きくないので、ネットワークへの日本のコミットメントが大いに期待されている。全体会合のない年に地域会合を開催する意見も出された。

    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)

      特になし



会議の模様

International Human Rights Network of Academies and Scholarly Societiesは米国に本拠を置く団体であるが、米国政府の立場からは独立であり、トランプ政権の人権政策に対しても批判的に注視する態度をとっている。科学者・医師・技術者の国際人権水準の向上および個別案件の解決のため国連への助言的勧告を行い、一定の成果を上げている。実際の運営にあたっているメンバーは多数ではないが、世界の各地域から多様な学問分野の専門家が関与している。
国の代表としてアカデミーの代表者が参加している国が多かった中で、日本学術会議の一委員会の会員が派遣されていることは例外的であった。しかし、被派遣者の派遣団体における地位の高低は必ずしも重視されておらず、国際人権への実質的なコミットメントを期待されていると感じた。

次回開催予定2020年 月末 南アフリカ・プレトリア市




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