代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) COSPAR理事会(第87回)、科学諮問委員会(第13回)、(総会、シンポジウム)プログラム委員会
(英文) The 87th COSPAR Bureau Meeting, The 13th COSPAR Scientific Advisory Committee (CSAC) Meeting, Program Committee Meeting of COSPAR 41st assembly, Program Committee Meeting of the 4th COSPAR Symposium - 会 期
平成30年3月19日~21日(3日間)
- 会議出席者名
佐々木晶(大阪大学)、中村卓司(国立極地研究所)
- 会議開催地
CNES(フランス宇宙機関)、パリ、フランス
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
全会議を通じて、約15カ国、参加者数40人、日本人参加者2人
- 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
- 会議における審議内容・成果
COSPAR(宇宙空間研究委員会)の一連の会議が平成30年3月19日から21日までの間、フランス、パリのCNES(フランス宇宙機関)にて開催され、COSPARのBureau memberであり日本代表の佐々木(大阪大学)および科学委員会C委員長の中村卓司(極地研究所)(COSPAR小委員会委員長)が出席した。
プログラム委員会は、3月19日に開催された。投稿されたアブストラクトに基いて、本年(2018年)7月のパサデナ(アメリカ)科学総会のセッション(イベント)の日程を決めた。3月20日には科学諮問会議が行われ、宇宙科学の各分野、各国の宇宙科学の現状の報告が行われた。また、2019年シンポジウムは、テルアビブ(イスラエル)で開催されることになった。
Bureau meeting(理事会)は3月21日に開催された。2020年シドニー総会、科学諮問委員会報告、財政報告、出版報告、COSPAR支援シンポジウムである。
また、2022年の総会に向けては、ヨーロッパの4都市が立候補している。評価委員会を立ち上げて、パサデナ総会での代表者会議で決定する。 - 会議において日本が果たした役割
X線天文科学衛星「ひとみ」の失敗はあったが、代替機の計画を立ち上げて、何とか予算を確保して、宇宙科学を継続的に進めていることを強調した。予算は非常に厳しいが、様々な計画が国際協力のもと、すすめられていることを説明した。
- その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
特にない。
今年はCOSPARの役員の改選時である。細則によると複数候補者が必要だが会長には現会長のFisk氏しか立候補していないため、Bureauから追加の候補者として(副会長に立候補している)Glassmeir氏を立てて、TV会議による追加会合を4月10日に行い、承認した。(会長候補者は理事会において、所信表明ならびに質疑応答を行うことが求められている)。
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
いずれもCOSPARの本部がある、パリのCNES(フランス宇宙局)の会議室、会議場にて行われた。
1) 参加者の自己紹介
2) 2018年開催のパサデナ科学総会の全体確認 LOC委員長は、Gregg Vane。7月14日から22日の日程で、開催。Pasadena Hilton Hotelを中心とする。登録料の原案。
3) VISAについては、4ヶ月前の申請を推奨。そのため受理の通知を早めた。
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プログラム委員会(3/19) |
1) 各科学委員会(A-H)からの活動・関連科学分野の最近の状況の報告だが、Bのレビュー以外はかなり省略。
2) 参加国からの現状報告
米、中、日(佐々木が報告)、ロシア、インド等。
日本は(初期運用のトラブルのため休止した)X線天文衛星ひとみの代替機XARMの開発、月着陸機SLIMの開発などを報告。運用中の金星探査機あかつき、ターゲット小惑星に夏に到着する、はやぶさ2、秋に打ち上げ予定の水星探査機BepiColomboについても触れた。
奇数年シンポジウムは、2017年9月に韓国の済州島で"Small Satellites for Space Research."というタイトルで第3回が行われた。400を越える参加者で、成功すると言える。
直前には、大田にて能力開発ワークショップが開催された。
2019年の第4回シンポジウムには、イスラエルのテルアビブが立候補しており、他に候補はなく、承認された。実施計画は、実現性の高いものができているが、当初のものは範囲が広すぎるため、(前回シンポジウムのように)中小型探査機を使った科学探査をテーマとすることになった。
理事会には佐々木(大阪大学)が出席した。以下の決議がされた
- 1 前回(2017-03-22 第86回パリ)の議事録承認。
- 2 42回総会におけるCOSPARの決議の草案作成委員
Wim Hermsen
Jean-Pierre Saint Mourice
David Smith - 3 賞・メダル 授賞委員会からの推薦を考慮して決定 COSPAR Space Science Awardは2名 (日本人はZeldovich Medal2名)
- 4 2020年のシドニー総会(昨年、電子投票で決定)について、準備状況の確認。2022年大会の立候補地。
今後の選定プロセス確認、評価委員会による評価がまず行われる。今回はKarl-Heinz Glassmeier
Wim Hermsen
Brigit Kinkeldey (ZARM) - 5 コスパースポンサー会合の決定。
15th International Symposium on Equatorial Aeronomy (ISEA-15) インド 2018年10月22-26日
6th General assembly 2018 (WCRP-SPARC: World Climate Research Program, Stratosphere-troposphere Process And their Role in Climate) 京都、日本、2018年10月1-5日 - 6 提案された惑星保護パネルの構成の変更を承認した。各国の宇宙エージェンシーを代表するするメンバーも加わる。
・ Chair: Dr. Athena Coustenis
・ Vice-Chairs: Niklas Hedman (UNOOSA) and Gerhard Kminek (Past PPP Chair, ESA)
・ Members appointed by space agencies:○ Lei LI (CNSA, China)
○ Michel Viso (CNES, /France)
○ Petra Rettberg (DLR, Germany)
○ Nomination pending (ISRO, India)
○ Eleonora Ammannito (ASI, Italy)
○ Saku Tsuneta (ISAS/JAXA, Japan)
○ Elena Deshevaya (IMBP, Russia)
○ Nomination pending (NASA, USA)・ Members representing Scientific Commissions B and F Nominations pending
- 7 2018年度の予算、及び、2019年度の各国分担金を承認。
- 8 能力開発ワークショップの報告が行われた。最近は年3-4回のペースで開かれており、日本人研究者の貢献も増えている。COSPAR予算の中で、7-8万ユーロを占める事業になっている。また、ガーナのように、能力開発ワークショップ開催を契機にCOSPARに加盟する国もある。
次回開催予定。プログラム委員会、科学諮問委員会、理事会ともに、2019年3月にパリで開催予定である。理事会は、2018年夏パサデナ科学総会時にも開催予定。