代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   第3回アジア第四紀研究会議
    (英文)   3rd ASQUA Conference

  2. 会 期

    2017年 9月4日~7日(4日間)

  3. 会議出席者名

    齋藤 文紀(INQUA分科会副委員長、ASQUA日本代表)

  4. 会議開催地

    韓国(済州)、Lotte City Hotel, Jeju

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    参加国数.....12か国
    参加者数.....約200名(うち日本人約20名)

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      9月4日:登録、アイスブレーカー
      9月5日:開会式、基調講演、一般研究発表、ASQUAビジネス会合
      9月6日:基調講演、一般研究発表、会議夕食会
      9月7日:済州島、地質巡検

    • 会議における審議内容・成果

      アジア第四紀研究会議は、2007年に日本で開催された第四紀の国際シンポジウムにおいて日本の提案によって始まった会議で、第1回が2009年に中国、北京、第2回が2013年にロシア、今回が第3回の会合となる。第四紀に関する国際会議では、国際第四紀学連合(INQUA)の大会が、4年に1回開催されていることから、本会議は、Inter-Congressとして、INQUA大会の中間年に開催されている。第四紀の研究では、地域や人間活動に関係した研究が多いことから、地域ごとの連携や研究協力、情報交換が重要である。本会議は、アジア地域における第四紀の研究推進と研究交流を目指して開催されている。

      第3回のASQUA大会は、韓国第四紀学会(KOQUA)、韓国地質資源研究院(KIGAM)の主催で、韓国旧石器学会、韓国地理学会、済州世界自然遺産の共催で実施された。参加国は、アジアから、韓国、中国、日本、台湾、タイ、モンゴル、ロシア、マレーシアで、他地域からは、米国、フランス、ドイツ、チェコの合計で12ケ国と地域、参加者数は約200名で海外から約70名、日本からは約20名が参加した。これまでの大会と比べて、規模が大きくなっており、アジアにおける第四紀研究が進展してきていることを示している。今大会の研究発表成果は、INQUAの正式学術誌であるQuaternary Internationalから特集号として出版されることが決まり、責任ゲストエディターとして、韓国KIGAMのYI Sangheon氏が選出された。

      ASQUAの名称については、当初は、Asian Conference on Quaternary Researchが用いられていたが、今後は、Asian Association for Quaternary Researchとすることが各国代表のビジネス会合で決定した。また次回の会合は、4年後に中国で開催すること、当面のASQUAのpresidentは、中国代表のXIAO Jule氏が務め、開催地とホストが最終決定した段階で、第4回ASQUA大会の委員長がPresidentとなることで了承された。

      会議では、台湾、日本、韓国、米国から1名、中国から2名、合計で6名の基調講演と3つのパラレルセッションにおいて80件の研究発表、72件のポスター発表が行われた。考古、旧石器、人類、古環境、解析分析手法、沿岸プロセス、陸域表層プロセス、地質災害、気候モデリング、年代層序など、第四紀の幅広い分野の研究発表が行われた。特に、津波や高潮、洪水、地震などの自然現象の理解とその軽減を目途とした研究が数多く発表されていたのが印象的で、社会のための第四紀学、持続的な社会を目指した第四紀学の傾向が強くなってきている。



会議の模様




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