代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文) 第32回国際電波科学連合(URSI)総会(URSI GASS 2017)
(英文) XXXIInd URSI General Assembly and Scientific Symposium (URSI GASS 2017) - 会 期
平成29年8月19日~26日(8日間)
- 会議出席者名
八木谷 聡
- 会議開催地
カナダ・モントリオール
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
参加国数 約60カ国、参加者数1,321名、日本人参加者111名
- 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
8/19 ショートコース、ワークショップ、URSI Board会議、URSI Coordinating Committee会議 8/20 ショートコース、ワークショップ、URSI Council会議1、開会式、レセプション 8/21 一般セッション、チュートリアル、基調講演1、学生論文コンテストセッション、Commissionビジネス会議1、若手研究者パーティー 8/22 一般セッション、チュートリアル、ポスターセッション、URSI Council会議2 8/23 一般セッション、チュートリアル、基調講演2、Commissionビジネス会議2、バンケット 8/24 一般セッション、チュートリアル、ポスターセッション、URSI Council会議3 8/25 一般セッション、チュートリアル、基調講演3、Commissionビジネス会議3 8/26 一般セッション、公開講演、閉会式、URSI Council会議4、URSI New Board会議、URSI New Coordinating Committee会議 ワークショップ、URSI Council会議、開会式、開会式で実施されたURSI学術賞授賞式、一般セッションの様子を各々、写真1、写真2、写真3・4、写真5、写真6に示す。
- 会議における審議内容・成果
報告者は会期中に開催されたURSI Council会議(第1回~第4回)に日本代表として出席した。同会議において、日本が投票権を行使した重要な決議事項は以下の通りである。
(1) URSI本部役員の選出
第1回URSI Council会議(平成29年8月20日開催)で、URSIの次期本部役員(任期:2017~2020年)が投票により選出された。(2) 第33回URSI総会(2020年)並びに第34回URSI総会(2023年)開催地の選定
第3回URSI Council会議(平成29年8月24日開催)で、次回第33回URSI総会(2020年)並びに次々回第35回URSI総会(2023年)の開催地が投票により選定された。(3) 各Commissionの次期Vice-Chair及びECRの選出
会期中に開催された各Commissionのビジネスミーティングで、次期Vice-Chair(任期:2017~2020年)及び若手キャリア代表(ECR)(任期:2017~2023年)が投票により選出された。第3回URSI Council会議(平成29年8月24日開催)で、これらの選出結果が報告され、URSI Councilはこれを了承した。 - 会議において日本が果たした役割
今回の第32回URSI総会では、日本は札幌を候補地として、次回第33回URSI総会(2020年総会)及び次々回第34回URSI総会(2023年総会)開催に立候補した。2020年総会は惜しくもイタリア(ローマ)に敗退したものの、2023年総会の日本開催を勝ち取ることができた。URSI分科会関係者を中心として、日本学術会議、電子情報通信学会、日本政府観光局及び札幌コンベンションビューロー等の支援を受け、優れたプロポーザルを作成し、かつ積極的なロビー活動及びPR活動を行ったことが功を奏し、2023年総会開催の獲得につながったと思われる。
次期URSI本部役員及びCommission役員として、日本からURSI会長、URSI副事務局長、Commission A Chair、Commission B Chair、Commission D Vice-Chair、Commission F ECR、Commission K Vice-Chair及びECR の合計8 名が選出されている。特に安藤真教授(東京工業大学)がURSI会長に選出されたことは、故・古賀逸策博士(任期:1966~1969年、元東京工業大学教授)及び京都大学の松本紘教授(現・理化学研究所理事長)(任期:1999~2002年)に引き続き、日本人として3人目の快挙である。またURSI本部役員並びにCommission役員としてこれだけ多くの日本人が選出されたことは前例がなく、上記の第34回URSI総会(2023年)の札幌開催と相まって、我が国は、今後ますます世界の電波科学研究において中心的な役割を果たすことが求められる。
また、会期中のURSI Member Committee(URSI加盟国)会議(平成29年8月22日開催)において、国内のURSI関連活動が活発な事例として、フランス、インドとともに、日本の活動を紹介した。
- その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
URSIは3年毎に、電波科学の発展に重要な貢献を果たした8人の研究者を選定し、学術賞を授賞している。日本から大村善治教授(京都大学、元URSI Commission H Chair)が、2017年URSI学術賞の一つである「Appleton Prize」を受賞し、会期中の開会式にて授賞が行われた。
会期中の平成29年8月21日~24日に、会場にて、第33回URSI総会(2020年)への立候補国(イタリア、日本、ポーランド、シンガポールの4カ国)それぞれによる展示ブースが設置され、URSI総会誘致のPR活動が行われた。これは過去のURSI総会では前例がなく、今回が初めての試みであった。日本のブースには、日本政府観光局(JNTO)及び札幌コンベンションビューロー(CB)からそれぞれ職員が派遣され、URSI総会を日本(札幌)へ誘致するためのPR活動にあたった(写真7)。多くのURSI総会参加者が日本のブースを訪れ、好評であった。
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
国際電波科学連合(International Union of Radio Science; URSI)は、電波、電気通信および電子科学分野の研究の連絡と推進を図る唯一の国際学術団体であり、次の10のCommissionの各々で活発な活動が行われている。
Commission A:電磁波計測(Electromagnetic Metrology)
Commission B:電磁波(Fields and waves)
Commission C:無線通信システム信号処理(Radiocommunication Systems and Signal Processing)
Commission D:エレクトロニクス・フォトニクス(Electronics and Photonics)
Commission E:電磁波の雑音・障害(Electromagnetic Environment and Interference)
Commission F:非電離媒質伝搬・リモートセンシング(Wave Propagation and Remote Sensing)
Commission G:電離圏電波伝搬(Ionospheric Radio and Propagation)
Commission H:プラズマ波動(Waves in Plasmas)
Commission J:電波天文学(Radio Astronomy)
Commission K:医用生体電磁気学(Electromagnetics in Biology and Medicine)
報告者(八木谷)が出席した第32回URSI総会は、最近の数回の総会と同様、かなり規模が大きいものとなった。参加者総数は1,305名、このうち日本からの参加者総数は111名であり、米国、カナダ、中国に次いで第4位であった。また、採択論文総数は1,463編であり、オーラル1,144件、ポスター319件が組まれた。これらの参加者総数並びに採択論文件数は、これまでのURSI総会において最高の件数である。なお、一般セッションの構成は、オーラルが345セッション、ポスターが2セッションであり、大半のセッションで大変活発な発表・質疑が行われた。日本からの発表論文は上述の10のCommission全てを網羅しており、URSIに対する日本の貢献度がかなり高いことを示している。
次回開催予定 平成32年8月22日から平成32年8月29日まで(イタリア・ローマ)
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ワークショップ | URSI Council会議 | 開会式(1) |
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開会式(2) | URSI学術賞授賞式(古賀メダル) | 一般セッション |
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札幌ブース |