日本学術会議は、わが国の人文・社会科学、自然科学全分野の科学者の意見をまとめ、国内外に対して発信する日本の代表機関です。

代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   日韓アカデミー若手科学者会合
    (英文)   Y-KAST - YAJ Bilateral Workshop

  2. 会 期

    2017年3月15日~16日(2日間)

  3. 会議出席者名

    狩野光伸、北村友人、住井英二郎、新福洋子、髙瀨堅吉

  4. 会議開催地

    韓国、ソウル

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    日本学術会議若手アカデミー(Young Academy of Japan, YAJ)メンバー5名、韓国科学技術アカデミー若手アカデミー(Young Korean Academy of Science and Technology, Y-KAST)メンバー(7名)、韓国科学技術アカデミー (KAST)メンバー2名、職員3名

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      まず初日は、韓国科学技術アカデミー(KAST)にてワークショップを開催した。各国アカデミーの紹介、参加者による個別発表、ディスカッションを行い、また続いてさらに懇談会を継続した。二日目はYAJメンバーとY-KAST主要メンバーによりY-KASTの今後の方針や、二国間の連携活動の可能性をテーマとし実務的な会議を行った。

    • 会議における審議内容・成果

      初日のワークショップにおいて、YAJメンバーは、当該若手アカデミーを紹介し、さらに、各学問領域の枠組みを越えたテーマを中心に発表を行った。これらの話題提供ののち、Y-KASTメンバーと意見交換を行った。次に、Y-KASTメンバーが、生体工学、環境科学、遺伝子工学について、各自が取り組む研究分野の発表を行った。これらの話題提供ののち、皆で意見交換を行った。

    • 会議において日本が果たした役割

      日本学術会議は、2014年11月に、大西会長が韓国を訪問した際に、KASTと二国間学術交流に関する了解覚書を取り交わした。その後、日本学術会議は、様々な機会を通じてKASTとの学術交流を深めている。このような中、韓国において若手アカデミーの立ち上げが最近なされたことから、本会合は時宜を得て、今回実現するに至った。今回の会合では、日本学術会議若手アカデミーの活動を紹介し、さらに、各学問領域の枠組みを越えたテーマで発表を行うことで、韓国若手アカデミーの立ち上げに際して有益な情報となったという評価を先方よりいただいた。また、ディスカッションを通じて、日韓の若手研究者の現状と課題、展望を共有し、議論を深めることに成功し、領域を超えた横断的な課題を具体的に報告しあう形で、意義の見える交流を続けることに合意した。



会議の模様

初めに、KAST国際担当副会長のSoon-Chang Yoonソウル大名誉教授とY-KAST立ち上げに尽力したコーディネーターのYong Ho Parkソウル大教授から挨拶およびY-KASTの現状について紹介があった。

続いて、日本学術会議若手アカデミーメンバーから、各学問領域の枠組みを越えたテーマで発表を行った。狩野光伸(副代表)は、「Thoughts on meaning of the "academy" activity」というタイトルで、日本学術会議若手アカデミーおよびThe Global Young Academyの紹介、アカデミー全体における若手研究者の活動の意義について発表した。北村友人(国際分科会委員長)は、「Roles of Higher Education for Realizing Sustainable Development Goals (SDGs)」というタイトルで、持続可能な開発目標を実現するための高等教育制度の役割について発表した。住井英二郎(幹事)は、「Experiences in the Young Academy of Japan」というタイトルで、日本学術会議若手アカデミーの紹介、Global Young Academyとの協調活動について発表した。新福洋子(メンバー)は、「Public Private Partnership to promote globalization of young researchers: An experience of JICA collaboration」というタイトルで、JICAとの連携の下で行われているタンザニアへの大学院生派遣活動について紹介した。髙瀨堅吉(メンバー)は、「Research evaluation disparities: possibly influenced by research field and generation?」というタイトルで、研究領域間または世代間で起こる研究評価の違いについて紹介した。

次に、Y-KASTメンバーから、各自が取り組む研究分野の発表を行った。So-Jung Park氏(梨花女子大学校)は「Smart Responsive Nanomaterials」というタイトルで、DNA鎖交換反応を利用した形状可変フィルムの研究について発表した。Jang Wook Choi氏(KAIST)は、「Future Energy Storage」というタイトルで、地球のエネルギー問題を紹介し、最先端電池技術について発表した。Hyongbum Kim氏(延世大学校)は、「Genome Editing as Future Medicines」というタイトルで、遺伝子改変技術の歴史、ゲノム編集技術について概論し、ゲノム編集を用いた最先端研究について紹介した。これらの話題提供ののち、皆で意見交換を行った。KAST副会長のOok Joon Yoo KAIST名誉教授も途中から合流された。

ディスカッションでは、成立直後のY-KASTを増強していくにあたり、Y-KASTのメンバーになるメリットをどう伝えたら良いか、参加意義のある団体にしていくにはどうしたら良いか、という視点から、YAJの経験を通じたアイディアを尋ねられた。参加意義のメリットとして、各学術領域内では実現の難しい可能性のある「科学を通じて社会を改善したい」という動機づけを活かす場となりうること、多国間の若手研究者同士の交流窓口となること、将来大きな方針を考える役割が回ってくる人材がその準備として若いうちから経験を積む場となること、などが出た。またこれらの経験を通じた視野の広さは、何らかのポストの選考時に、学術的業績以外に評価される可能性も高いのではないか、といった意見が出た。このほか、質の高い研究をしている研究者をイベント時に表彰して、社会的に若手アカデミーの存在を周知するという方法も挙がった。実に参考になったという反応であった。

極めて短期間の滞在だったが、発表、それに基づく意見交換からさまざまな学術的刺激を受け、日本・韓国の若手の連携に向けて、一気に交流が進んだことは有益だった。今後も日韓の若手アカデミー同士でメンバーを交互に招聘して、会合の開催を継続していくことで互いに合意した。


ワークショップ参加者の集合写真 発表中の狩野氏 発表中の北村氏
ディスカッション中の写真 KASTビルの前にて 懇談会の様子


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