代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  

    (和文)   世界国際関係学会
    (英文)   International Studies Association (ISA)

  2. 会 期

    2017年2月21日朝(到着20日夜)~26日(6日間)(帰国は27日)

  3. 会議出席者名

    羽場 久美子

  4. 会議開催地

    Baltimore

  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)

    会員数7300人、参加国数、参加者数6000人、1200パネル、日本人参加者 およそ30人程度

  6. 会議内容  
    • 日程及び会議の主な議題

      会員は今年で7000人を大きく超え、7300人程度に増大、ワシントンのすぐ近くということもあり、6000人参加、1200パネル、史上最大の規模であった。今年のタイトルは、Understanding Change in World Politics(世界政治における変化の理解に向けて)であった。
      Presidential Panel (会長組織パネル)の一つとして私が座長をしたものに、Great Powers and Power shift in the 21st century(21世紀の大国とパワーシフト)があり、そこには国際政治の錚々たるメンバーが報告をされた。Joseph Nye(USA), K.V. Kesavan(India), Akihiko Tanaka(JAPAN), Fraser Cameron (EU), Quansheng Zhao(China), Ann Tickner (USA, Gender)などISA元会長を含む世界的な講演者がそろい21世紀の世界変容の様々な局面について理論的・学術的・政策的に討議が行われした。会場は満員で立ち見でも足りず床に座って聞く者もあり大盛況であった。

    • 会議における審議内容・成果

      執行委員会、Governing Councilでは、ちょうどトランプ政権が滑り出して1か月、またイスラム圏7か国の入国禁止令を出したこともあり、ISAに参加する中東研究者の学問の自由・宗教の自由を保証すべしという学者声明を、世界国際関係学会(ISA)と世界政治学会(IPSA)がそれぞれ出したり、北米最大・かつISA史上最大となった7300人の会員と世界学会をいかに組織しリードしていくか、年間5億円近い予算をいかに効果的に学術の発展のために使うか、剽窃など研究倫理をどう守るか、若手人材をどう育成するかなどについて議論された。
      会議パネルは1200に及び、それぞれのパネルは、国際政治、理論、安全保障、移民やエスニシティ、環境と国際政治、ジェンダー、などについて論じられた。

    • 会議において日本が果たした役割

      今回の会長パネルにも見られるように、羽場が副会長として執行部に入り日本のプレゼンスが示せた。日本人の参加者は残念ながらインドや中国に比べて多いとはいえなかった。現在アフリカ、中・東欧、東南アジア、中印の学者が増えている中、日本人ももう少し参加することが望まれる。私は13年前に、ISAの執行部の一員となったが(Governing Council Member)、 その13年前と比較しても日本人の参加者の数が減っているように思われる。他方、昨年と今年いずれも6月に開かれ、開かれる香港の会議には日本の代表を含めて多くのアジア人が参加した。確かにアメリカは近くはないが、もう少し積極的に専門の国際会議に参加していくことが望まれる。



会議の模様

1200のパネルは、1日200パネルずつくらいをこなしていく菅さんだが、実際非常に多くの重要なパネルが連日にわたって催された。 今回のように世界中から人が集まり、アメリカ人・カナダ人以外が大量に増え、また若手研究者が増えていることは未来に向かっての重要な準備であるとも思い高く評価できる。

次回開催予定 2018年4月4-7日 San Franciscoにて

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