代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称 (和文) 第41回海洋研究科学委員会(SCOR)執行理事会
(英文) Scientific Committee on Oceanic Research, 41st Executive Committee Meeting - 会 期 2013年11月25日~28日(4日間)
- 会議出席者名
日本人:蒲生俊敬(日本SCOR指名代表委員)、田口哲(日本SCOR指名代表委員,SCOR副議長)、池田元美(日本SCOR指名代表委員)
外国人:Peter Burkill(議長)、Mary Feeley(セクレタリ)、John Volkman(副議長)、Corina Brussaard(副議長)、他26名 - 会議開催地 (ニュージーランド・ウェリントン)ニュージーランド・ロイヤルソサエティ、ニュージーランド水大気研究所
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
参加国数:14、参加者数:31、日本人参加者(3名):蒲生俊敬、田口哲(日本学術会議SCOR分科会委員)、池田元美(同分科会オブザーバー) - 会議内容
・日程及び会議の主な議題現存ワーキング・グループ(作業部会)の報告と措置
・会議における審議内容・成果
新規ワーキング・グループ(作業部会)への申請選考
大型国際共同研究(GLOBEC、GEOTRACES、GEOHAB、IMBER、SOLAS)の報告
政府間機関(IOC、PICES、ICES、FOO)との共同取組み
非政府機関ICSU(IGBP、WCRP、SCAR、SOOS、SCOPE)との緊密な連携
IUGG付属組織(IABO、IAMAS、IAPSO)
他プログラム(CoML、iAnZone、IMAGES、InterRidge、IOCCG、Ocean Mixing Processes)およびその他の組織(POGO、AOSB)について報告
ニュージーランド海洋科学シンポジウム本会議の最重要案件であるワーキング・グループ(作業部会)の審査においては、海洋科学発展への貢献に加え、担当者の地域バランス(特に途上国から)、女性研究者を含めていることも重視され、11件の申請から2件を採択した。各国の意見も充分に尊重した上で、亜酸化窒素とメタンの計測に関する申請と、微生物群集の低酸素応答に関する申請が採択された。前回に続き2件が採択され、SCORの海洋科学に対する貢献が維持された。
・会議において日本が果たした役割
財政問題についての報告では、長期的に見るとSCORの活動を落とすことなく、財源を有効かつ計画的に使うことが提言された。また新たな参加国をよびこむ折衝を続ける。田口哲委員が副議長として運営に貢献している(任期はあと1年間)。ワーキング・グループ(作業部会)の審査においては,国内SCOR分科会で議論されたコメント内容を適宜発言し,審査内容の高度化に貢献した。
・その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
特になし
会議の模様
Burkill氏が議長に就任し、IGBPなど既存のプログラムがFuture Earthに代わる事態に対応した協力関係を築くこと、インド洋の海洋観測を充実させることが提案された。
本会議の重要案件であるワーキング・グループについて、まず既存のグループの評価を行った。昨年までに開始された11件のうち、昨年終了するべきであった1件と予定通り終了する2件は完了することが認められた。また1件は当初の目的を達成したので、本来の期間より短い3年間で完了することに同意された。他の7件は順当な取り組みを続けており継続が認められた。
来年度発足のワーキング・グループ(作業部会)提案の審査においては,11件の提案のうち我が国の研究者が主提案者であるものが2件あった。いずれも一定の評価を得,特に海洋の栄養塩標準物質に関する提案(昨年度提案の改訂版)は多くの国の支持を集めたものの,今回は申請数が多く,かつ粒ぞろいであったことなどから,残念ながら2件とも採択には至らなかった(我が国の海洋科学の存在感を高める上では大きく貢献した)。
なお,会議初日(11/25)の終了後,ニュージーランド水大気研究所(NIWA)においてレセプションが開催され,海岸沿いの美しい眺望を楽しみながら,同研究所の研究者も交えて,参加者一同の懇親を深めた。また会議4日目は,同じくNIWAにおいて「ニュージーランド海洋科学シンポジウム」が開催され,SCORメンバーおよびニュージーランド研究者から10件の研究報告があり,活発な議論が交わされた。
次回開催予定:2014年9月14-17日
2014年総会は、ドイツ・ブレーメンで開催されることが承認された。また2015年執行理事会はインド・ゴアで開催される予定である。