代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称 (和文) 国際宗教学宗教史学会 理事会・国際委員会
ヨーロッパ宗教学会第12回大会
(英文) International Association for the History of Religions Executive & International Committee Meeting
12th Annual Conference of the European Association for the Study of Religion - 会 期 2013年9月1日~4日(4日間)
- 会議出席者名 藤原聖子(理事会・国際委員会) 丹羽泉(国際委員会)
- 会議開催地
アイルランド・コーク市(理事会)
イギリス・リバプール市(国際委員会) - 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
理事会 参加国 11カ国 参加者数 11名 日本人参加者 1名
国際委員会 参加国 22カ国 参加者数 37名 日本人参加者 2名 - 会議内容
国際宗教学宗教史学会・理事会(9月1日~2日)においては、主として以下の議事が討議された。
・会長、事務局長、会計による報告
・他の委員による報告
・各国・地域の宗教学会の状況、新規加入
・会費の額の見直し
・寄付・資金調達方法の検討
・学会基金の運営
・CIPSHの会員継続問題
・理事会組織・学会名称の変更案の検討
・学会内のコミュニケーション促進方法の検討
・時期理事選出委員の指名
・名誉会員予備選出
・学会誌Numenの実績報告
・2015年世界大会(ドイツ・エアフルト大会)の打ち合わせ
・2020年世界大会開催地の検討
国際宗教学宗教史学会・国際委員会(9月4日)においては、主として以下の議事が討議された。
・新規加入会員の承認
・2010年世界大会(カナダ・トロント大会)での国際委員会の議事録承認
・事務局長、会計による報告ならびに理事会の報告
・名誉会員選出
・理事会組織・学会名称の変更案の検討
・会費値上げの検討
会議の模様
理事会・国際委員会の主な議題のうち、特に活発な議論が行われたのは、会費値上げ、2015年世界大会の招聘講演者の推薦、学会名称の変更案に対してであった。いずれも一見する限りは、形式的・事務的議題だが、20世紀を通してヨーロッパ中心だった国際宗教学宗教史学会が転機を迎えていることを象徴するものであった。日本宗教学会は国際宗教学宗教史学会の会員学会のうち、アメリカ宗教学会に次いで規模が大きいため、今後の学会の舵取りにおいていっそうの積極的関与を求められた。そのような関与の一環として、報告者は、来年刊行されるNumen 60周年特別号に向けて、この学会誌の国際性の実態について調査し、それを踏まえて特に日本の立場から提言する論文を寄稿したことを理事会で報告した。
また、国際宗教学宗教史学会の名誉会員として3名が選出されたが、うち1名は、2000年から2010年まで理事を務めた、日本学術会議連携会員、月本昭男氏(立教大学・教授)である。これは日本人としては3人目になる(名誉会員の総数は32名)。
国際委員会が行われたヨーロッパ宗教学会の年次大会では、テーマは「宗教、移動(移住)、変化」とされた。グローバル化の進展によって宗教においても人・思想の移動がかつてないほど活発化した結果、どのような変化が各国に生じているかという事例報告と、その新しい状況を説明するための理論構築に関して発表と討議がなされた。開催地のリバプール市はイギリスのなかでも移民の多い都市である。たとえば市街地の南東部には、500m四方内に、ユダヤ教のシナゴーグ、ギリシャ正教の教会、イギリス国教会の教会、イスラムのモスクが立ち並ぶ地域がある。その地域からほど近い、会場のLiverpool Hope Universityは、ヨーロッパで唯一のエキュメニカルな大学(キリスト教立だが、宗派合同である)として知られている。そのような環境のなかで、テーマに即した活気に溢れる大会となった。
次回開催予定 2014年(詳細は未定)
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イギリス国教会 | イスラムモスク |
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ギリシャ正教会 | ユダヤ教シナゴーグ |