代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称 (和文) 国際地図学会議
(英文) International Cartographic Conference - 会 期 2013年8月25日~30日(6日間)
- 会議出席者名 森田 喬・熊木洋太
- 会議開催地 ドレスデン(ドイツ)
- 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者)
約60カ国(事前登録)、約1,400名、9名 - 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
日程:25日:登録受付
26日午前:開会式
26日午後-30日午前:基調講演,口頭発表セッション,コミッション集会,ポスターセッション,国際地図展,
バーバラ・ペチュニク子供地図展,技術展示,技術巡検等(27日:コミッション委員長会議,28日:各国代表者会議)
30日午後:閉会式
内容:研究発表と展示を中心とする行事であるが,会期中に開催された国際地図学協会(ICA)の各国代表者会議,コミッション委員長会議,
各コミッション集会によりICAの運営について打ち合わせが行われた。 - 会議における審議内容・成果
1) 研究発表,展示,巡検等により,各国の地図学の研究,地図技術,地図教育に関する交流,情報交換が行われた。
2) 「地図学(Cartography)」という学問の名称について,従来通りとすることの合意が図られた(2.参照)。
3) 2019年の国際地図学会議・ICA総会の開催地決定のスケジュールが明らかになった。
4) 2015年が国連地図年(Year of Map)となったことが紹介され,その対応が各国へ要請された。 - 会議において日本が果たした役割
1) 7件の研究発表,17点の地図・地図関連製品の展示,6点の 子供地図作品の展示を行った。地図展示では,日本の作品が教育用地図製品部門で3位を獲得した。
2) コミッション委員長として,ユビキタスマッピング・コミッションを主宰した。 - その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
地球地図国際運営委員長を務め,日本でもよく知られたフレーザー・テーラー教授(カナダ)に,ICAの最高の賞であるカール・マンネルフェルト・ゴールド・メダルが贈られた。
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
1) 開会式,閉会式の進行やICAの運営に関することについては,就任満2年のゲオルグ・ガートナー会長(オーストリア)が完全に主導権を握っていた。
2) この会議の前に,ガートナー会長から各国代表に対し,「地図学(Cartography)」という学問の名称が現在の状況(対象が伝統的な地図に関することだけでなく,地理情報やその空間表現手法に関することに拡大している状況)を踏まえて変えることが考えられないか,という問いかけがあった。これに対し,会長自身が開会式と閉会式のあいさつの中で,「(Cartographyは包括的な概念の用語であり)Cartographyでよいではないか」と述べ,多くの参加者の共感の拍手を得て決着した。
3) 研究発表では,ウェブサイトや携帯端末での地図データ処理に関するものが多かったことなど,前回(2011年パリ大会)と似た傾向にあった。Big Dataがちょっとした話題ではあったが,総じて,新しい分野へ切り込んだ研究は少なかったように思われる。地理情報に基づいて環境の分析を行うような研究はここ数回の大会では少なかったが,今回はやや増加した。
4) 地図展では,派手な表現を用いたもの,観光用のものが減り,地味な一般図が多かった。海底を表現した地図が若干多かったように感じられたが,各国の大陸棚調査の成果が反映されたものであろう。双方向に操作可能なシステム化されたデジタル地図については、操作手続きおよび表示結果を動画にまとめたものを提出することになったので,提出作品を一通り概観することが可能となった。この部門ではフランス国土地理院の地図ポータルサイトが1等に表彰された。
5) 会議はきわめて整然と混乱なく進められた。展示会場にテーブルを配置して,昼食時や休憩時に参加者が展示会場に来るように工夫されていた。また、晩餐会ではアトラクションに花火の打ち上げがあり参加者を喜ばせた。会議運営に関して参加者からの不満は聞こえなかった。
次回の大会は2015年8月23-28日にリオデジャネイロ(ブラジル)で開催される。
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