代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称  (和文)   国際自動制御連盟(IFAC)理事会
               (英文)   International Federation of Automatic Control Council Meeting
                            ※欧州自動制御学会(European Control Conference; ECC)開催に合わせて開催
  2. 会 期  平成25年 7月17日~19日(3日間)
  3. 会議出席者名
    IFAC理事(18名)
    役職 氏名 国名
    PresidentIan K. CraigZA
    President-ElectJanan ZaytoonFR
    Vice-President (Technical Board)Iven MareelsAU
    Vice-President (Executive Board)Roger GoodallGB
    Immediate Past PresidentAlberto IsidoriIT
    TreasurerJohn LygerosCH
    Ordinary MemberFrank AllgoewerDE
    Ordinary MemberYaman Arkun TR
    Ordinary MemberTamer BasarUS
    Ordinary MemberDaizhan ChengCN
    Ordinary MemberHyung Suck ChoKR
    Ordinary MemberTorkel GladSE
    Ordinary MemberShinji HaraJP
    Ordinary MemberGennadiy LeonovRU
    Ordinary MemberHenk NijmeijerNL
    Ordinary MemberCarlos Eduardo PereiraBR
    Ordinary MemberJurek SasiadekCA
    Ordinary MemberMichael SebekCZ
  4. 会議開催地   スイス・チューリッヒ市
  5. 参加状況  (参加国数、参加者数、日本人参加者)
      参加国数:18か国、参加者数:理事18名他 約50名、日本人参加者:8名
  6. 会議内容

    ・日程及び会議の主な議題

    日程:平成25年7月19日(金)9:00~17:00
    ※開催地選定部分は、13:45~15:30頃
    議題:IFAC2020年大会の開催地選定、各種委員会報告

    ・会議における審議内容・成果

    2020年のIFAC World Congress開催地の選考が行われ、ドイツ、アメリカ、日本による最終プレゼンテーションに続き、投票の結果、開催地がベルリンに決定したことが発表された。

    ・会議において日本が果たした役割

    日本は、ドイツ、アメリカに続き3番目にプレゼンテーションを実施。プレゼンター2名(会長候補/IFAC理事:原辰次教授、実行委員長候補:淺間一教授)で、20分間にわたり、IFAC2020年大会をなぜ日本で開催すべきか、について説明した。
    プレゼンテーションのポイントは以下の通り。
    ・日本、アジアでの開催意義
    ・2020年会議テーマ:"Design and Realization of "Sustainable Society Harmonized with Nature" Led by Control"
    ・日本が東日本大震災を経て考える「制御の在り方や学術的に進むべき方向性」
    ・産業界、関連学会との連携
    ・日本で開催した場合の準備・受入体制について
    ・会議プログラム、収支予算について
    ・会議会場、周辺ホテル他横浜の紹介
    ・横浜市長ビデオメッセージ上映
    日本のプレゼンが最も詳細で、2020年大会の計画を最も現実的に立てていた。理事からの質問も多く、それらに的確に回答できていた。ただし、時間を割いた学術的な部分やアジアでの取り組みについての質問は、残念ながらなかった。

会議の模様

IFAC理事会の中で、13時45分から始まった開催地選定の部分のみ、理事以外の関係者が会議室への入室を許され、開催された。ドイツ、アメリカ、日本のNMO組織によるプレゼンテーションの後、立候補国を除いた15名の理事による投票が行われ(結果は非公表)、2020年大会の開催地はドイツ(ベルリン)に決定した。
開催地決定後、IFAC Japan NMOにて敗因分析を行ったが、誘致に至らなかった主な理由は、以下2点である。
1点目は、今回の誘致競争は、開催候補都市の3つにハード面での差がほとんどなかったことから、「開催地選定」よりも「会長選挙」の意味合いが色濃く出た結果、欧州出身の理事が過半数を占めるIFAC理事会においては、欧州候補が有利となる。
2点目は、日本のプレゼンテーションは「アジアのための開催」を強調し、欧米との差別化という意味では主張が明確であったが、欧州出身の理事の票につながらなかった可能性が高い。
今回の結果は、ドイツ/欧州において実力を持った人物を選ぶことで、欧州中心の学会であり、また、産業界との連携強化を望むIFACが、経済的に苦しい現状を打破するために、欧州全体の制御分野発展を重視した結果だと言える。

これまで日本は連続で2回立候補し、2回とも欧州の国に敗れている。日本は学術的な内容や収支予算を含めた会議の計画面において、綿密な準備を行ったが、誘致成功には至っていない。今後、日本が再度IFAC世界大会の誘致活動を行うにあたっては、国際的な場で、ネットワーク持つ人材を多数育成すると共に、アメリカや欧州と対等にわたりあえるよう、「アジア」としてまとまっていく必要がある。

次回開催予定: 2014年8月末

2020年IFAC世界大会開催地選考におけるプレゼンテーションの様子

2020年IFAC世界大会開催地選考におけるプレゼンテーションの様子

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