代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)国際科学史技術史科学技術基礎論連合/国際科学史技術史部会・評議会
    (英文)International Union of History of Science and Technology (IUHPST) /
        Division of History of Science and Technology (DHST)・Council meeting
  2. 会 期
    2023年12月11日(1日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:Zoomによるオンライン形式の評議員会
    2. 会議の開催周期:通常毎年1回だが、2023年度から毎年2回程度になっている。
      オンライン開催で開催時間を短縮することと、業務が増えてきたことによる。
    3. 会議開催地、会議場:オンライン開催
    4. 会議開催母体機関:国際科学史技術史科学技術基礎論連合、国際科学史技術史部会
    5. 会議開催主催機関及びその性格:同上 ISC傘下で科学技術史関連の国際諸学会の統括組織
    6. 参加状況

      参加国 英国、ベルギー、アイルランド、チェコ、ロシア、ブラジル、アルゼンチン、ニュージーランド、日本の計9か国
      参加者数 11名
      日本人参加者:橋本毅彦・東京大学名誉教授、派遣機関:日本学術会議

    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):

      会期:2024年は4月に一度開催し、同年12月初旬にもう一度開催される予定である。
      開催地:オンライン会議
      準備組織:国際科学史技術史科学技術基礎論連合/国際科学史技術史部会・評議会
      主なテーマ:4月開催予定の会議ではRespectful Behavior Policy(尊重しあえる行動のための指針)についての策定と2025年ニュージーランド開催の国際学会の準備状況についてであり、 12月開催の会議では各分科会の報告の確認と予算審議などである。

  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:

      オンライン会議により日本時間12月11日午後7時から午後11時15分頃まで開催された。
      主な議題は以下のとおりである。
      ・財務報告と予算提案の吟味と承認。DHST傘下の各分科会からの報告と申請の吟味と承認。分科会の申請については概ね承認された。予算未消化の分科会に対しては、使用を促すようにした。
      ・2023年9月に開催されたオンライン国際会議の実施と反響について報告された。
      ・2025年ニュージーランドで開催予定の国際科学史技術史学会の準備状況について報告された。
      ・隔年で募集される優秀博士論文の選定手続きについて提案され、若干の修正の上承認された。
      ・延期された臨時総会について2024年5月末に開催予定であることが報告され、そこでの中心審議事項となるDHSTのRespectful Behavior Policyについて検討された。

    2. 学術的内容に関する事項(当該分野の学術の動向、今後の重要課題等):

      2023年7月に開催された科学史科学基礎論部門の会議で科学教育の歴史・哲学に関する分科会が新しくスタートし、今後科学教育の歴史と哲学の研究も新しい国際的な活動の動きが出てくることが予想される。

    3. その他の特記事項:

      ・事務局長に代わり事務局次長が急遽会議の準備と運営を取り仕切ることになったため、所々で筆者から事務局次長にアドバイスをしたり業務の補佐をしたりした。
      ・9月に開催した「未来にとっての科学技術史、科学技術史の未来」をテーマにしたオンライン国際会議は成功裏に終わり、各国代表・各分科会代表の講演がなされ相互の交流がなされた。 その内容はウェブサイト<https://dhst-festival.sciencesconf.org/>に記録されており、その中の左コラムのRewatch on YouTubeから24時間開催された会議の多くが視聴可能である。
      ・11月末に開催予定だった臨時総会が延期されて2024年5月末開催予定になったため、そこでの主要議題になるRespectful Behavior Policyの詳細を検討し確認しておく必要がある。現在のバージョンの文書で提案されているオンブズパーソンの雇用の費用について懸念を表明しておいた。

所見

・新しいRespectful Behavior Policyの下で、オンブズパーソン(あるいはオンブズ(ombuds))の雇用が提案されている。(「オンブズ」については、国際オンブズ連合が存在し、 そのウェブサイト<https://www.ombudsassociation.org/>で、オンブズの概念とともにその果たす役割等が解説されている。)本件については日本のIUHPST分科会でも若干審議したが、DHSTの財政を圧迫させないで、円滑に活動がなされていくことを望んでいるところである。
・オンライン・フェスティバルと呼ばれるオンラインの国際学会は、若手の新評議員を中心とした企画され開催されたが、肯定的な評価を受けており、新しい会議の形態として今後も何らかの形で継承されていく予定である。