代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)南極研究科学委員会 医学医療専門委員会
    (英文)SCAR Joint Expert Group of Human Biology & Medicine Annual meeting
  2. 会 期
    令和5年6月23日から令和5年6月29日まで(7日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:委員会
    2. 会議の開催周期:定期(1年に1回)
    3. 会議開催地、会議場:オーストラリア連邦、ホバート市、Grand Chancellor Hotel
    4. 会議開催母体機関:

      (和文)南極観測科学委員会/南極観測実施責任者評議会
      (欧文)SCAR/ COMNAP(Scientific Committee on Antarctic Research /The Council of Managers of National Antarctic Programs)

    5. 会議開催主催機関及びその性格:

      (和文)南極研究科学委員会 医学医療専門委員会
      (欧文)Scientific Committee on Antarctic Research (SCAR) JEGHBM

    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関):

      19か国86人が参加登録。会場は30人定員のためオンライン参加多数。参加国はアルゼンチン、オーストラリア、チリ、中国、エクアドール、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、日本(4名)、ノルウェー、韓国、南アフリカ、スペイン、トルコ、UK、ウルグアイ、US、ポルトガル

      主な日本人参加者

      氏  名 職  名 派 遣 機 関
      大野義一朗(筆者) SCAR JEGHBM 議長 SCAR/JEGHBM 日本代表 日本学術会議代表派遣 北海道立天売診療所
      中村卓司 SCAR日本代表/物理科学グループ・COMNAP日本代表 国立極地研究所
      橋田 元 COMNAP 副議長/日本副代表、COMNAP事務局 国立極地研究所
      大谷慎二 SCAR/JEGHBM 日本代表 鳥取大学 国立極地研究所客員教員

    7. 次回会議予定

      会期:2024年8月17~23日
      開催地:チリ、ピーコン
      準備組織:SCAR/ COMNAP
      主なテーマ:南極地域における医学研究および医療

  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:

      23、24日:第5回Search & Rescue (SAR) Workshop:南極観測の安全のための調査・救援について
      25日:医学医療専門委員会:9時から午後6時まで。主要なテーマは、医療活動とくに救急搬送を要するなどの重症例の検討、医学研究について。
      今回は南極観測活動におけるCOVID19の現状と対策、鳥インフルエンザについて集中的に議論された14か国から事前の報告と会場での報告をもとに情報、経験交換を行った。これらをもとに、南極観測活動におけるCOVID19 ガイドラインの更新案、鳥インフルエンザについてSCARおよびCOMNAPへの勧告案を作成し提出した。
      26日:第20回 “Innovations & Collaborations” シンポジウム。南極観測における技術進歩と連携について
      27,28,29日、COMNAP年次総会

    2. 提出論文:

      医学医療専門委員会では日本を含む14か国が事前に報告を提出した。日本からは当日の口頭報告も行い、議論に参加した。

    3. 学術的内容に関する事項(当該分野の学術の動向、今後の重要課題等):

      医学医療専門委員会では南極地域における身体的、精神的健康管理と困難な状況での医療実績、医療活動とくに救急搬送を要するなどの重症例の対策、医学研究について、宇宙活動のシミュレーションとしての南極医学研究の意義。南極地域におけるCOVID19 感染の分析と対策。南極に拡大が予測されている鳥インフルエンザの対策について審議した。今回の注目テーマは、南極観測活動におけるCOVID19の現状と対策、鳥インフルエンザについてで、集中議論を行った。専門委員会の議論を踏まえ、南極観測活動におけるCOVID19 ガイドラインの更新案、鳥インフルエンザについてSCARおよびCOMNAPへの勧告を作成し年次総会で報告提出した。

    4. その他の特記事項:

      今回の専門委員会では南極におけるCOVID19 、鳥インフルエンザに対する医学的見解を審議し提言をまとめて本会議に提出した。各国の南極観測活動の指針となる。
      日本は議長として参加し会を運営し、報告をまとめ、総会で報告した。

所見

COVID19と 鳥インフルエンザはすべての国の南極観測計画に影響を与えるため関心が高かった。
医学医療専門医委員会ではサーキュラーを5回だし、事前レポート提出を要請するなど活発な審議のため試みがあり、予想をこえた参加者数で議論ができた。

会議の様子
会議の様子
発表に臨む筆者