代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)海洋研究科学委員会2022年次総会
    (英文)SCOR 2022 Annual Meeting (SCOR:Scientific Committee on Oceanic Research)

  2. 会 期

    令和4年10月 4日~ 6日(3日間)

  3. 会議出席者

    原田尚美(筆者・現地参加)、張勁(現地参加)、日比谷紀之(オンライン参加)

  4. 会議開催地

    韓国・釜山

  5. 参加状況

    参加国数…19カ国
    参加者数…35名(オンライン参加含む)、うち5名が日本人参加者

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題:会期は令和4年10月4日から令和4年10月6日まで(3日間)。主な議題はSCORワーキンググループ(WG)2023の採択、既存WGの進捗状況報告、関連する国際プロジェクトの報告
    • 会議における審議内容・成果:2023年からの新規SCOR WGの決定が最も重要な審議内容であり、今回提案された7件の申請書について、10月4日の午前中ほぼ全てを使ってExecutive Committeeによる評価の報告が行われた。具体的には評価報告を提出した各国のNational Committee、IAPSO、IABO、IAMAS等関連団体の意見や評価結果に基づいて厳正な議論が展開された。その結果、予算の現状も鑑み、2023年からの新規SCOR WGとしてDeveloping resources for the study of Methylated Sulfur compound cycling PROcesses in the ocean (DMS-PRO)、及びReducing Uncertainty in Soluble aerosol Trace Element Deposition (RUSTED)の2件が採択されることになった。
    • 会議において日本が果たした役割:張副委員長がSCOR執行部の副議長として参画しており、本会議のみならず、通年にわたってSCORの通常業務、運営を担ってきている。また、本総会においては、上記にも示したとおり、2023年からの新規SCOR WGの決定が、本会議で日本として議決権を行使する最も重要な決定事項である。今回の総会では、新規採択に至った2件のDMS-PROには亀山宗彦氏(北海道大学)と林田博士氏(海洋研究開発機構)、RUSTEDには伊藤彰記氏(海洋研究開発機構)がfull Membersとして参加することになっており、日本から高順位をつけて推薦した2件とも新規採択されたことから、満足のいく喜ばしい結果となった。

会議の模様

 SCORに限らず、ロシアのウクライナ侵攻による影響は大きい。ロシアは日本と並んでSCORへの最大の出資金供出国であるものの、その支払いは停止状態にある。ただし、出資金そのものは確保されているようで、事態の打開があればすぐに支払いが可能な状況と聞いている。もう1つ、開発途上国の学生や若手研究者の研修や育成をどう継続させるかが大きな課題になっている。現地にてレクチャーや実験の手解きをすることに加え、実験施設や観測装置を設置しても、政情の不安定さやバンダリズムの問題が大きく、持続的な支援を困難にさせている現状がある。


次回開催予定:2023年のSCOR総会の開催日時は未定であるが、10月にエクアドルのグアヤキルで開催されることになっている。

会議の模様
会議の模様