代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)南極研究科学委員会(SCAR)代表者会議
    (英文)The XXXVIII SCAR Delegates Meeting

  2. 会 期

    令和4年 9月 5日~ 7日(3日間)

  3. 会議出席者

    中村卓司(筆者)

  4. 会議開催地

    インド共和国ゴア市(ハイブリッド開催)

  5. 参加状況

    参加国数:40カ国以上(うち現地参加はブラジル、カナダ、チリ、エクアドル、インド、イタリア、日本、マレーシア、ノルウェー、ロシア、トルコ、米国)
    参加者数:50名以上
    日本人参加者2名…中村卓司(日本代表、物理科学グループ日本代表)、野木義史(日本副代表、地球科学グループ日本代表※オンライン参加)

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      日程:2022年9月5~7日
      主な議題:各科学グループ等からの報告の承認、新規加盟国の審議、名誉会員の審議、加盟料の免除について、役員の選挙、次期IPY(国際極年)について、能力開発(CB)等について、今後の会議について、Strategic planについて、予算決算について。
    • 会議における審議内容・成果
      ルクセンブルクの準加盟国承認、副会長2名の選出など。
    • 会議において日本が果たした役割
      適宜発言を行なった。

会議の模様

 南極研究科学委員会(SCAR)の代表者会議が2022年9月5~7日の3日間、インド共和国のゴアでハイブリット形式で開催され、極地研・中村が日本代表として現地参加し、副代表として極地研・野木がオンラインで参加した。現地参加したのは、ブラジル、カナダ、チリ、エクアドル、インド、イタリア、日本、マレーシア、ノルウェー、ロシア、トルコ、米国の12カ国で、オンライン参加を合わせると加盟45カ国のほとんどが参加したほか、IUGG, IUGS, URSIなどのユニオンメンバーからの参加もあった。重要事項としては、ルクセンブルクが準加盟国として認められ、46番目の参加国となった。4名中2名空席となった副会長は、推薦が会議までに十分に集まらなかったが、一人目はチリのMarscelo L. Cartesに無投票で決まり、二人目は2名の候補の中からトルコのBurcu Ozsoyが投票で選出された。また前会長のSteven Chownに名誉会員の称号を付与することが認められた。その他、物理学、地学、生命科学の各Science GroupおよびStanding Committee等の各グループのレポートが全て承認された。2028年の総会はブルガリアのソフィアに決まった。また、今年2022年のOpen Science Conferenceの報告や、2023年に開催時期を遅らせたニュージーランドで開催予定SCAR生物シンポジウム、2025年にチリで開催予定であるSCAR地学シンポジウム等も紹介された。この他の重要事項として2023年から27年のStrategic Planの案が紹介され、今後小グループで年内を目処に修文し、最終調整を行うこととなった。また、物価高騰による財源の圧迫への対応について財務担当副会長から報告があり、2026年以降の加盟料の改定について3通りの案が示され、各加盟国の意見を聞きつつ改定方法を決めることとなった。なお、この他、次期IPY(国際極年)について議論され、2032/33年とすること、単年の事業とせず2022/23を結果創出の目標年にするべく、数年以上にわたる実施とすること、などをSCARの意見として今後IASCなど関係組織と調整することとなった。次回のSCAR総会は2024年にチリのプーコン(代表者会議はプンタ・アレナス)、26年はノルウェーのオスロで開催される。

次回開催予定: 2024年8月末

会議の模様
会議の模様