見解「日本の社会・産業をリードする化学系博士人材の育成支援と環境整備 ~産・官・学一体で取り組む博士人材層強化への流れづくりと博士課程進学に対するポジティブイメージの醸成~」のポイント

1.現状及び問題点

 日本では20年以上に渡り博士号取得者数が低下し続けており、化学分野も同様である。博士課程進学を阻害している経済的問題に対しては様々な施策が始まったが、他の主な理由である早期社会的自立への対応の不足や、就職状況実態や学位取得後の処遇について、その分野に応じた適正な情報が学生や保護者に正しく伝えられていないことなどが、この問題の解決を妨げている。

2.提言等の内容

(1) 博士課程における早期経済的自立と社会的地位の向上へ向けた環境整備   博士課程の学生が経済的に自立していると自他ともに実感できる処遇を、学生や社会の声を取り込んで設計・提供し、情報提供も徹底する。

(2) 博士課程修了後の就職不安解消と自信の醸成、経済効果の明示 企業の就職状況は分野により異なるため、化学分野における企業就職希望博士学生の企業就職率を調査・公表し、博士課程修了者が企業に就職できている状況を客観的な数字で示す。また、技術開発系企業における博士人材採用率や先端技術開発部門における博士人材比率等を統計データとして示し、博士が企業で活躍する姿を数字で示すとともに、企業での技術系の学位別年収データを大規模に調査・公表し、博士課程進学を後押しする。

(3) 社会から求められる博士の資質の共有と革新を志向する人材の育成 大学院教育の適切な価値認識を社会で高める。またジョブ型採用、通年採用へのシフトを産学で推進し、卓越した研究能力とそれを活かすトランスファラブルスキルを身に付けた高度人材を目指す若手を増やす。





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