報告「歯学・口腔科学分野の課題と展望2023」のポイント

1.現状及び問題点

     
  • 本委員会は2013年に報告「我が国における歯科医学の現状と国際比較」を発出した。この報告の発出後、歯学は着実な発展をしたと考えられるが、科学をとりまく社会情勢も変貌し、新しい取り組みや展望が求められるようになった。
  • 我が国全体の研究力の低下が指摘され、さらに、IoT、AIに代表されるよう仮想空間と現実空間の融合、ビッグデータの連携がもたらす未来社会(Society 5.0)の観点からも、歯学のあり方を再考することが求められた。

2.提言等の内容

(1) 歯学・口腔科学分野の研究力の状況
・基礎系、臨床系とともにその研究水準は維持しているものの、研究活力の鈍化や研究者の層の希薄化が認められており、戦略的な研究支援、人材育成が求められる。

(2) 歯学・口腔科学研究の重要性
・歯学、口腔科学が包含する領域は、摂食嚥下、栄養、コミュニケーション、呼吸など人体と外界との接点であり、ヒトの尊厳を維持するために必要なQOLの維持、well-beingと深く関わっている。人と機械や人と環境を繋ぐ領域として、この領域の機能と形態を維持、回復することの意義を再認識し、多様性と包摂性のある社会の実現に向けての本領域の学術のさらなる発展が求められる。

(3) 歯学・口腔科学研究における情報科学の重要性
・ビッグデータの解析、バイオインフォマティクスなどの生命科学の進展と密接に関わりながら、さらには臨床歯学特有の歯科医療デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることによって、歯学、口腔科学の発展に寄与するだけでなく、工学などの周辺技術の発展や医科歯科連携を促す。





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