報告「資源循環とカーボンニュートラルの両立に向けた課題と日本が取り組むべきサーキュラーエコノミー対策」のポイント

1.現状及び問題点

 サーキュラーエコノミーが国内外で重要視されている背景には、資源循環の重要性のみならず、カーボンニュートラルだけでない多様な環境負荷との関係性、天然資源開発の課題、資源安全保障、廃棄物処理など多岐にわたる課題が存在することを正確に認識する必要がある。日本では多くの資源を輸入に頼りながらも素材産業に基盤があり、さらに最終処分場のひっ迫などからリサイクルを推進してきたが、改めてサーキュラーエコノミーの背景と概念を正確に理解した上で、日本に最適なサーキュラーエコノミー対策を整理して推進する必要がある。

2.提言等の内容

(1) サーキュラーエコノミーをとりまく社会的背景
 サーキュラーエコノミーは、循環に経済性を持たせ、資源循環とカーボンニュートラルを両立させる経済政策であるが、そのためには3R政策にとどまらず、資源の投入量や消費量を減らしつつ経済を活性化させWell-beingを確保する新たな価値観の創造も必要となる。また、日本版サーキュラーエコノミーを議論する際には、資源安全保障や廃棄物削減の重要性も背景にある。

(2) 各素材の資源循環技術・プロセスの方向性
 サーキュラーエコノミーの実現や、カーボンニュートラルと資源循環の両立に対する技術やプロセス上の課題は素材によって大きく異なるため、素材ごとに、その現状と課題を述べた。

(3) 社会システムとしての資源循環の方向性
 サーキュラーエコノミー実現のためには、社会システム上の課題も多く存在する。必ずしも既存の学術分野のみには収まらない横断的・境界的な領域であり、新たな人材育成も含めた活性化が必要である。





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