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提言「初等中等教育及び生涯教育における地球教育の重要性:変動する地球に生きるための素養として」のポイント

1 現状及び問題点

 日本列島に暮らす人々は、地震、火山、洪水など、常に自然現象の脅威にさらされている。災害対応において、自助・共助が求められる現状では、各人が独自に自然に対して知識と関心を持ち続けることが必要とされる。そのためには、学校教育の期間に、地学・地理学など自然と社会とのかかわりに強く関連する分野を十分に学習し、さらに生涯にわたって自然に関心を持ち続け、「変動する地球に生きるための素養」を身につける必要がある。これにより、各個人は自然の脅威に対して適切に備える能力をもち、自然と調和した土地利用や資源の活用を持続することができる。

2 提言の内容

  • (1) 学校教育の中で「自然を学ぶ学習」を強化する
     日本に暮らす人々が「変動する地球に生きるための素養」を身につけるためには、地球の営みや自然環境の変化を科学的・論理的に理解する必要がある。そのため、最初に学校教育の期間に繰り返し体験し、十分に学ぶことが必要である。その教育を行うには、防災や環境に関わる事物・現象についてミクロ・マクロな視点、時間的・空間的な視点をもって多面的に教育できる人材を育成するとともに、教科横断的な学習を実現すべきである。この地球教育には従来の文系、理系という概念でなく、「文理融合」という観点も重要である。

  • (2) 生涯で「変動する地球に生きるための素養」を身につける機会を増強する
     「変動する地球に生きるための素養」を身につけるための学びの場は、生涯にわたって確保されることが重要である。変動する自然現象、グローバルまたは地域的な環境問題、そして地球惑星に関する新しい知見などについて、すべての年齢層が自らの社会生活に密接した情報として共有できるようにすることが大切である。そのような教育の場として、博物館の展示解説や体験活動、ジオパーク活動などがある。特に、自然災害や地球環境に関連する知識やその対策を提供できる機会を増やすことは重要で、その活動を支える人的支援や組織を作るべきである。そのためには、大学などの研究機関、学協会、地方公共団体が連携・協働し、市民が日常的に地球を学べる場を数多く設けるべきである。





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