日本学術会議第162回総会における古川内閣府特命担当大臣のご挨拶

写真:内閣府担当大臣 古川 元久

 皆様おはようございます。只今ご紹介賜りました、科学技術政策担当大臣の古川元久でございます。

 本日は日本学術会議第162回総会に際しまして一言ご挨拶を申し上げます。

まず始めに、昨年の東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故からの復興再生に関しましては日本学術会議をはじめとする、多くの科学者の皆様にご尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げます。

 一方で、科学技術に関わる全ての関係者の皆様方には今回の原発事故におきまして、国民の科学技術に対する信頼が揺らいでいることを危機感をもって認識していただく必要があると思います。私たちは科学技術の負の側面についても勇気をもってしっかりと目を向けながら科学技術と社会との関わりを真摯に問い直していく必要があります。科学技術が、そして科学者が信頼を回復するためにもアカデミーが社会や政治に対して積極的にメッセージを発出することは極めて重要であります。

 日本学術会議におかれましても、大西会長の下、昨年10月の第22期の発足直後に東日本大震災復興支援委員会を立ち上げ積極的に活動されていると承知しております。こうした日本学術会議の取り組みには大いに敬意を表しております。

 政府では現在、総合科学技術会議を改組して科学技術イノベーションを一体として強力に推進する司令塔体制を作っていく準備を進めております。検討にあたりましては大西会長にも有識者研究会の構成員として議論に参画いただきました。この新しい司令塔が日本学術会議と密接に連携することが重要であります。

 私は日本学術会議の若手アカデミーの活動にも興味を持ってこれまで注目をして参りました。昨年、京都に出張した際にも若手アカデミーの皆さんと意見交換を行う機会があり、研究現場の生の声を率直に聞くことができました。また現在、国家戦略会議の下に設けておりますフロンティア分科会にはこの若手アカデミーの皆さんの中からも何人かご参加をいただいております。国家戦略として科学技術イノベーションを強力に推進するためには、こうした若い世代の斬新なアイデアとチャレンジ精神が必要でございます。そうした意味でこうした若手アカデミーをより育てていただくために、また学術会議としてもご尽力いただくことを心からお願いを申し上げたいと思います。

 最後になりますが、皆様のますますのご活躍とご健勝を祈念し、そして学術会議のますますのご発展をお祈りいたしまして私のご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。どうもありがとうございました。

平成24年4月9日内閣府特命担当大臣 古川元久

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