日本学術会議第160回総会における玄葉内閣府特命担当大臣のご挨拶

写真:内閣府担当大臣 玄葉光一郎

 皆さん、こんにちは。御紹介をいただきました内閣府特命担当大臣として科学技術政策を担当させていただいております玄葉光一郎です。国家戦略担当と民主党の政調会長も兼任をさせていただいております。

 初めに、広渡新会長におかれましては、御就任、おめでとうございます。今日は160回の総会だということでございまして、一言皆様に申し上げたくてお邪魔をさせていただきました。

 先般の東日本大震災、さらには福島第一原子力発電所の事故からの復旧・復興に際しましては、多くの科学者の皆様に御尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 ただ、同時に一緒にお考えをいただきたいというふうに思うことが一つございます。それは、せっかくの科学者の皆様からの貴重な御意見が相互に脈絡がなく、相矛盾したまま、時に社会に発信をされるということがございます。そのことで実は私は福島県の出身でもございますけれども、被災者の方々に大変な混乱が見られると、これは政府の責任でももちろんございますけれども、そういう実態がございます。いわゆるリスクコミュニケーションの問題でございます。こういう憂慮すべき状況をどうやったら乗り越えることができるかということを私は先ほども広渡新会長にお願いをしたところでございます。つまりは、科学者コミュニティのさまざまな意見が専門分野の壁を超えて集約をされて、全く一つの声になるということはなかなかあり得ないと思いますけれども、できるだけ一つの声にしていくという努力は私は必要なのではないか、そしてその声が国内外の社会に迅速に伝えられ、また同時に政策に反映をされていくということをしていかなければならないのではないか、このような役割の中心となるのは、我が国では唯一科学者コミュニティを内外に代表する機関であるこの日本学術会議ではないかというふうに考えております。こうした役割をこれまで以上に一歩踏み込んで積極的に果たしていただけるよう私としては期待をしているところでございます。

 言うまでもなく、科学技術は国家戦略として推進すべき大変重要な分野であり、退歩はあり得ないというふうに考えております。震災からの復興、再生のためにも科学技術は欠かせないというふうにも考えております。

 現在、政府では第4期の科学技術基本計画を議論し、また同時に、新たな科学技術における体制、この議論もさせていただいて、一定の方向性を出したいというふうに考えております。日本学術会議の機能を最大限発揮しながら、これから新たな取り組みを実現していくために、日本学術会議と政府とのこれまで以上の協力が不可欠だというふうに考えますので、私も精いっぱいの努力をさせていただきますから、どうぞ、広渡新会長を初め先生方の御協力をよろしくお願いを申し上げたいというふうに思います。

 最後になりましたけれども、皆様のますますの御活躍と御健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

 どうもありがとうございます。

平成23年7月11日 内閣府特命担当大臣 玄葉光一郎

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