代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)Gサイエンス学術会議(S7)2026

    (英文)Science Summit for the G7

  2. 会 期
    2026年 5月17日(日)から2026年 5月19日(火)まで(3日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:対面
    2. 会議の開催周期:年1回
    3. 会議開催地、会議場:フランス・パリ
    4. 会議開催母体機関:フランス科学アカデミー(Académie des sciences)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:フランス科学アカデミー主催
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)

      参加国:G7各国(日本、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国)など
      参加者数:100名程度

    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):

      会 期:2027年度中(会期詳細は未定)
      開催地:アメリカ・ワシントンD.C.

  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:

      2026年 5月17日(日)18:00~21:00(現地時間)
       -ネットワーキング

      2026年 5月18日(月)09:30~21:00(現地時間)
       -開会
       -共同声明に関するセッション

      1. 脳の健康とメンタルヘルスの推進:世界のレジリエンスを支える基盤として(Advancing Brain Health, including Mental Health, for Global Societal Resilience)

      2. 大規模衛星コンステレーション:課題と影響(Large Satellite Constellations: Perspectives and Challenges)

      3. グローバルな北極域:かつてない変化と地球規模の危機(Advancing Brain Health, including Mental Health, for Global Societal Resilience)

      2026年 5月19日(火)09:00~13:00(現地時間)
       -その他のセッション

      4. 各共同声明テーマに関する議論

      5. アカデミーの独立性と学問の自由に関するラウンドテーブル・セッション

      6. ガザ及びヨルダン川西岸地区における紛争に関する議論

      7. 次回テーマと総括

       -閉会
       -閉会後行程 13:00~19:30(現地時間)

      8. エマニュエル・マクロン フランス共和国大統領への共同声明の手交及び意見交換

      9. G7各国ナショナル・アカデミーによる共同記者会見

    2. 学術的内容に関する事項:

      5月17日から19日の3日間にわたり、上記4の1.~3.に列記した個別のテーマについて、G7各国のナショナル・アカデミー会長等を交え議論を行い、共同声明として採択した。その他の議題についても認識の共有・意見交換を実施した。

    3. その他の特記事項:

      筆者は、各共同声明をテーマに関連し、G7各国のナショナル・アカデミー会長等との議論の中で、日本学術会議によるイニシアティブを積極的に紹介するなど、現場での議論の深化に貢献した。
      加えて、アカデミーの独立性と学問の自由に関するラウンドテーブル・セッションでは、セッションの企画当初よりフランス科学アカデミーと議論・調整を行うなど、当該セッションの円滑な実施及び議論の充実に積極的に貢献した。

所見

・共同声明は、「大規模衛星コンステレーション」、「グローバルな北極域」、「脳の健康とメンタルヘルスの推進」といった地球規模課題の解決に資するテーマを扱い、科学的厳密性と政策有用性を兼ね備えた成果として評価できる。会議を通じてG7各国のナショナル・アカデミー間での協働が進展し、科学的知見を政策議論に結び付ける基盤が一層強化された。また、会議にはフィリップ・バティスト・フランス高等教育・研究・宇宙担当大臣をはじめ、G7各国の在仏大使館の大使やアタッシェ等が参加しており、ホストアカデミーにおいて、政策決定層との接点の確保等、政策提言の実効性を高めるための周到な準備がなされている様子がうかがえた。

・加えて、日本学術会議からホストアカデミーに対して提案する形で、「アカデミーの独立性と学問の自由」をテーマとするラウンドテーブル・セッションの開催が実現した。これは、日本学術会議が今期(第26期)においてG7の一部のナショナル・アカデミー代表等を交えて継続的に開催してきた「国際アドバイザリーボード」における議論をS7の枠組みに拡張したものであるが、このようなアカデミー横断的な課題が国際会議の場でG7各国のナショナル・アカデミーの代表間で共有・議論されたことは、今後の国際学術協力の深化に資する重要な進展である。

・会議閉会後には、エリゼ宮殿においてエマニュエル・マクロン フランス共和国大統領に対して共同声明の手交が行われ、G7各国のナショナル・アカデミー代表等と意見交換がなされた。また、政策立案者と科学者の連携の重要性についての日本学術会議からの発言について同意をいただいた。本年のG7首脳会議における議論への具体的な貢献が期待される。

・今般取りまとめられた共同声明が各国において広く活用されることを期待するとともに、次回S7サミット(全米科学アカデミー主催予定)に向け、引き続き各国アカデミーと連携しつつ、テーマ設定や国際的議論の発展に主体的に貢献していきたい。