国際北極科学委員会(IASC)北極科学サミット週間2026
代表派遣会議出席報告
会議概要
名称
(和文)国際北極科学委員会(IASC)北極科学サミット週間2026 (英文)The Arctic Science Summit Week (ASSW) 2026
会期
2026年3月25日から2026年4月1日まで(8日間)
会議概要
会議の形式:総会(対面・オンライン)
会議の開催周期:年1回
会議開催地
、会議場: デンマーク国・オーフス市、オーフス大学
会議開催母体機関:国際北極科学委員会(IASC)
会議開催主催機関及びその性格: 国際北極科学委員会(IASC)は政府間組織である北極評議会(AC)のオブザーバーであり、ACと連携を取りながら活動を行っている科学委員会である。IASCは科学的なアドバイスや科学の進展に対しての援助も行う。また、自然科学にとどまらず北極研究に関するすべての分野を網羅している。
参加状況
(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
参加国名:日本、アメリカ合衆国、英国、カナダ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、アイスランド、デンマーク、ロシア、ドイツ、フランス、スイス、中国、韓国、ポーランド、チェコ、スペイン、ポルトガル、イタリア、オーストリア、インド、オランダ、ベルギー、トルコ他。
参加国数:25か国以上
参加者数:800名(現地参加700名、リモート参加100名)(うち日本人約30名) 主な日本人参加者
萌日香
(リサーチ・アドミニストレータ―)
真理子
次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
会期:2027年4月11日から2027年4月20日まで10日間
開催地:日本(函館市) 準備組織(主催機関):海洋研究開発機構 (共催機関):北海道大学、国立極地研究所、日本学術会議(予定) 主な
テーマ:北極科学の推進
会議の学術的内容
日程と主な議題: 3月25日 ASSWオープニングセレモニー、IASC Working Group + ICARP会合 3月26日 Arctic Science Funders Forum、IASC ExComm打ち合せ 3月27日 IASC 評議会、Indigenous Pavilion Event 3月28日 IASC Strategy Workshop 3月29日 サイエンスデイ、北極観測サミット(AOS)ミーティング、アジア極地科学フォーラム(AFoPS) 3月30日 北極観測サミット(AOS) Opening Plenary 3月31日 北極観測サミット(AOS) 4月 1日 北極観測サミット(AOS)(最終日)
提出論文:なし
学術的内容に関する事項: 今後10年間の北極の科学の長期計画を検討するICARP IV(第4回北極研究計画国際会議)の優先課題についての最終報告の紹介及び、報告書の配布が行われた。本長期計画は2032‐33年の国際極年につながるものとして、各国による実施が期待される。IASCのこの10年の活動に関するレビューの報告と今後の活動に関する議論が行われた。北極観測サミット(AOS)において北極の科学の推進についての意見交換と先住民の活動の実例や構想などの検討が行われた。
その他の特記事項: AOSやSAON、AOSにおいて日本からの発表が行われた。2027年のASSW日本開催に対する紹介活動を行った。また、クロージングでは今回の開催地からの次回開催地への実施者のバトン手渡しイベントが行われた。
所見
今回から新参加国のトルコ、及びロシアのIASC代表(リモート参加)を含めた25か国以上の参加となった。IASC Working Group Reports 大気、海洋、雪氷、陸域、人文社会のWGの活動報告。2026年度のIASC Fellowsの紹介。日本からの初めてのIASCフェローとして、極地研の小川萌日香(特任助教)が海洋WGのフェローに選ばれた。IASC Standing Committee on Indigenous Involvement (SCII)の活動準備内容について紹介された。クローズドセッションでTORの議論が行われた。Sustaining Arctic Observing Networks (SAON)の活動報告。今回の北極観測サミット(AOS)はSAONの課題を探り、推進を目指すものである。Arctic Data Committee (ADC)では、Draft IASC Data Statement 2026について紹介された。新たに立ち上がる活動としてIASC Action Group: Towards Ethical Recommendations for Climate Interventions Research and Evidence-based Information (ERCI)の目指すものが紹介された。ここで扱うジオエンジニアリングについては、評議会終了後に個別の意見交換セッションが開かれている。10年間のIASC活動の評価や提案を行うIASC Organizational Review 2025の内容紹介があった。また、強化すべき項目やその推進についてIASC Strategic Plan Implementation Planが翌日参加者を広く集めての意見集約が行われている。これからのASSWについて:2027年の函館開催の概要がLOC委員長のJAMSTEC菊地氏より紹介された。2028年はポルトガル、2029年はスウェーデン、2030年はJoint SCAR-IASC Polar Conferenceとして韓国まで決まっている。さらに今回のクローズドセッションで2031年のカナダ開催が決まった。Fourth International Conference on Arctic Research Planning Process (ICARP IV)の7つのプライオリティチーム(PRT)のとりまとめ報告が行われた。各レポートやサマリーが出版されている。提案はIPY-5に向けて実現していくことが目指されている。今回のASSWでは先住民の具体的な課題や活動に関するセッションが多く、ICARP IVでも先住民に関するRPTレポートがいち早く配布終了となった。2032-33年に実施される第5回International Polar Year(IPY-5)に向けた準備状況の紹介が行われ、日本がノルウェーとともにいち早くナショナルコミッティを立ち上げていることを紹介した。 後半のクローズドセッションでは、議長、副議長の選挙:これまで議長を務めた英国Henry Burgessの任期満了に伴い、IASC議長の選挙があり、これまで副議長だった米国のMatthew Druckenmillerが選ばれた。副議長は2人の選出が行われたが、1名はポルトガルのJoão Canarioが再選され、もう1名はポーランドのMonika Kędraが選出された。スイス、日本は継続。2031年のASSW開催地がカナダに決定した。IASCメダルについて、来年度は候補者募集や選考は行わず、積極的な応募の拡大や受賞者の範囲を検討するなど、手法の改善を行うこととなった。


オーフス大学の会場とパビリオン

