代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)第82回国際地質科学連合(IUGS)理事会(EC)、年次総会 及びIUGSラテンアメリカ地球科学ワークショップ
    (英文)82nd Annual Meeting of the IUGS Executive Committee (EC) and the IUGS-Latin America Geoscience Workshop
  2. 会 期:2026年1月22日から2026年1月25日まで(4日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:対面とリモート
    2. 会議の開催周期:年1回
    3. 会議開催地、会議場:コロンビア共和国・ボゴタ市(毎年変更する)
    4. 会議開催母体機関:国際地質科学連合(IUGS)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:
       国際地球観測年の成功を受けて、1961年の3月に設立された。現在、117か国の団体により組織されており、国際科学会議の参加メンバーでもある。特に世界的に重要度の高い地質学の問題についての研究を中心に奨励、促進しており、その他にも地球科学における国際的かつ学際的な連携をサポートしている。また、4年ごとに開催される万国地質学会議の後援も行っている。
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本からの参加者の氏名・職名・派遣機関)

      参加国・地域数:
      日本、南アフリカ、ドイツ、オーストラリア、イタリア、スロベニア、スペイン、ドイツ、中国、イラン、韓国、ギリシャ、コロンビア、ポルトガル、チリ、ナイジェリア、サウジアラビア、スウェーデン、アイルランド、ナミビア、米国、ペルー、マレーシア、カナダ、フランス、デンマーク、英国、エクアドル、オーストリア、バングラデッシュ、ボツワナ、コスタリカ、チェコ、エストニア、エチオピア、ガンビア、インド、リトアニア、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ニュージーランド、ロシア、スロバキア、スイス、台湾、ウガンダ、タイ、オランダ、コンゴ、ノルウェー、ウルグアイ、ベネズエラ、コスタリカ、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、キューバ、ボリビア、エクアドル、ドミニカ等。(約60か国)

      参加者数:
      約160名(うちリモート参加者約50名)
      日本からの参加者の氏名:
      大久保泰邦・地熱技術開発株式会社研究主幹・日本学術会議
      掛川武・東北大学教授・リモート参加
      川村喜一郎・山口大学教授・リモート参加
    7. 次回会議予定(会期、開催地、準備組織、主なテーマ)
      会期:2027年1月-2月
      開催地:未定
      準備組織:国際地質科学連合
      主なテーマ:各組織の活動報告、計画、予算、開催地周辺国の地球科学に関する課題の議論
  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:
      2026年1月22-23日
      ラテンアメリカの地質災害、グローバル変動、鉱物資源・再生可能エネルギー、水資源
      2026年1月24-25日
      IUGSの活動報告、各組織の活動報告、計画、予算、加盟組織の活動報告
    2. 論文提出:
      日本:Task Group on Submarine Geohazards(TGSG)の活動報告
      日本以外:IUGS及びそれぞれの組織の活動報告
    3. 学術的内容に関する事項(当該分野の学術の動向、今後の重要課題等):
      地質災害が多発しており、災害の影響を軽減する科学技術の必要性が高まっている。海域の地質災害については観測例が少なく、その対策についての研究は十分でない。TGSGはIUGSやCCOP(東・東南アジア地球科学計画調整委員会)などの国際組織を通して世界と連携しデータを収集し、持続的開発のためのグローバルな海底地質災害軽減のためのガイドライン作りを目指している。また持続的開発のための海底地質災害軽減は新しい分野で、人材の育成が急務となっている。
    4. その他の特記事項:
       現在66の加盟国(団体)で、2022年以降漸増している。しかし2021年までは分担金の支払いは安定していたが、2021年以降の分担金の総額が15%程度落ちた。この理由は、主にいくつかの加盟国からの分担金の支払いが滞っているためである。これに伴い、2022年以前の収支は黒字であったが、2022年以降は赤字に転じ、予備金は減少しつつある。
       加盟国の地理的分布は以下の図の通りである。ラテンアメリカでは、エクアドル、ボリビア、パラグアイなど多数の国が加盟していない。ラテンアメリカ地球科学ワークショップはIUGSの戦略として、ラテンアメリカでの加盟国を増やすことが目的であった。このワークショップでは加盟国、非加盟国から、UNESCOのテーマである地質災害、グローバル変動、資源・再生可能エネルギー、水資源の4つのテーマについて、初日のワークショップにおいてラテンアメリカの関係機関より報告があり、翌日4つのテーマについて参加者が分かれ、戦略的な観点から「共通の課題」、「主要なステークホルダー」、「データとインフラ・人材」、「研究と人材育成」、「プロジェクト形成と持続性」、「外部への情報伝達」について議論を行った。大久保は地質災害のグループに参加した。ラテンアメリカのそれぞれの国から、ラテンアメリカのデータベースの必要性などさまざまな意見が出された。結果、この会議によって新たなラテンアメリカのネットワークが構築された。しかし新たなプロジェクト形成についてはラテンアメリカの参加者自身に委ねられた。またラテンアメリカの非加盟国が今後IUGSに加盟するかは不明である。

       IUGS加盟国を増やすことを一つの戦略として、2024年2月にIUGS-Africa Eventがナイロビで開催された。その結果、以下の3つのUNESCO- IGCP アフリカプロジェクト(それぞれ150,000ユーロ/3年)が2025年10月より開始された。
        水資源(ナイジェリア、ガーナ、トーゴ、ベニン)
        地下水のアルミニウム成分管理 (エジプト、スーダン、カメルーン、リビア)
        地下資源 (南アフリカ、コンゴ、アンゴラ)
      この成果はIUGSへの加盟を促すことになる。
       アジアにおいてもインドネシアを含め、多くの国がIUGS非加盟国となっている。IUGSは、将来の戦略の一つとして、CCOPとの関係を深めることを挙げている。CCOP加盟国は、日本、韓国、中国、モンゴル、フィリピン、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、インドネシア、パプアニューギニア、東チモール、ブルネイである。この中でIUGSの非加盟国は、ベトナム、ラオス、カンボジア、シンガポール、インドネシア、パプアニューギニア、東チモールである。来年のIUGS-ECの会議をCCOP加盟国で行い、IUGSに加盟を推進する行事を行うことも一案となる。

所見

 通常の管理理事会(EC)に加え、ラテンアメリカ各国が集まるワークショップを開催し、地球科学的課題について議論することができ、新たな国際ネットワークが構築された。これはIUGSが持つグローバルな組織力による。通常のEC会議だけではリモート参加で十分と思うが、開催地周辺国が集まるワークショップを開催することによって、その地域の課題を知ることができる。その点、ECに加え、ラテンアメリカワークショップ開催は、IUGS全体の活動を活性化することができ、成功と考える。今後もこのような形式のEC開催が期待される。



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