代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文)国際宝石学会(IGC)及び国際鉱物学連合(IMA)・IMA宝石物質コミッションビジネス会議
(英文)International Gemmological Conference (IGC) and Commission of Gem Material Business Meeting of International Mineralogical Association (IMA) - 会 期
2025年10月20日から2025年10月24日まで(5日間) - 会議概要
- 会議の形式:学会口頭発表、ポスター発表、常任理事会
- 会議の開催周期:
2年に一度の周期で開催される。また、今回は学術発表以外に常任理事会の開催があり、そこでは、国際鉱物連盟(IMA)の宝石物質コミッションに加入している各国のメンバーらが参加し、検討事項や鉱物・宝石の記載、表記ルールや緊急アラートなどが検討された。決定された内容は迅速に学会参加者や各国の宝石協会、鑑別機関、LMHC(国際ラボマニュアル調整委員会)、CIBJO(国際貴金属連盟)、ICA(国際有色宝石協会)等に伝えられることとなった。 - 会議開催地、会議場:
第38回国際宝石学会及び常任理事会は、ギリシャのアテネ市(Athens Chamber of Commerce and Industry)で開催された。 - 会議開催母体機関:国際宝石学会(IGC)https://www.igc-gemmology.org/about/
- 会議開催主催機関及びその性格:
国際宝石学会の下でギリシャ実行委員会が今回の学会を主催した。また、地元の大学や鑑別研究機関等の協力もあり、政府に関連する機関はなかった。 - 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
26の国と地域から65名が参加(うち地元参加者15名、日本からは4名)
日本からの参加者は以下のとおり。
阿依アヒマディ:Tokyo Gem Science合同会社(日本学術会議より派遣)
江森健太郎:中央宝石研究所
古屋正貴:日独宝石研究
大久保洋子:株式会社GSTV - 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
開催地:ブラジル、オウロ・プレト
会期:2027年5月~8月頃(未定)
準備組織:国際宝石学会(IGC)及びオウロ・プレト連邦大学
テーマ:未定
- 会議の学術的内容
- 日程と主な議題:
学会の日程は10月20日から24日までとなっており、主な議題はセッション別(宝石学、歴史と博物館学、鉱山視察、ダイヤモンド及びカラーストーン、真珠及び有機宝石、翡翠の定義等)に関する研究発表、計53件の発表と3回におよぶ常務理事会での討論会。 - 提出論文:
53件の小論文と学会要旨が38 International Gemmological Conferenceに記載された。日本人による学会小論文は3件含まれている。 - 学術的内容に関する事項:
宝石学研究分野において、最先端の技術研究発表、新種の宝石の発見、鉱山開発の現状等について、より多くの情報が含まれており、各国の技術研究のレベルが一層明らかになった。日本からは、宝石におけるU-Pb(ウラン鉛年代測定)による年代測定や合成ダイヤモンドの流通と、その看破特性やブラジルで発見された新しいサファイアの最新情報などが発表され、研究技術において最もリードした存在を示した。
今後の重要な課題として、鑑別技術の向上、消費者へ正確な鑑別結果と情報の提供、宝石鑑別書に記載される内容と、宝石名などに相違が生じる場合、統一した用語とマスターストーン(ダイヤモンドの色や等級を評価するための基準となる特別なダイヤモンドのこと)の使用を推奨すべきことが挙げられた。 - その他の特記事項:
日本の国石である翡翠(ひすい)は古くから中国を含む漢字圏の国々で使用されているが、翡翠の鉱物学的定義は輝石の一種である「ジェダイト」を指すが、香港や中国大陸では、翡翠にジェダイト・ジェードだけでなく、その他の変種であるオンファサイト・ジェード(オンファ輝石)とコスモクロア・ジェード(単斜輝石の一種、コスモクロア輝石)も含まれることが強調され、数百年におよぶ宝飾歴史の中で、翡翠は岩石の集合体であり、識別ができず、古くからこの3種の変種を含めて、“翡翠”と呼ばれてきたことを理由に、世界各国に翡翠の英文タイトル(ジェダイト・ジェード、Jadeite Jade)以外に、中国語呼びの“FeiCui(フェイ チョイ)”という名称を宝石鑑別書や鉱物書籍等に「入れてほしい」と声明を出した。(https://www.lmhc-gemmology.org/wp-content/uploads/2025/09/LMHC-Information-Sheet_11_V5_2025.pdf)同じ漢字を使用されている日本においては、今日まで、ジェダイト・ジェードだけを「翡翠」と記載していたが、“FeiCui”という名称をその他の二種類のオンファサイト・ジェードとコスモクロア・ジェードに入れるかどうかを検討していく必要がある。そうでないと、国同士で混乱が生じ得る。
- 日程と主な議題:
所見
2023年に上野の東京国立科学博物館で、37回目の国際宝石学会を開催した主催者として、今回のアテネにおける38回目の国際宝石学会は成功に終えたが、参加者は東京大会より少なく、学会費も高く、社交的なイベントも少なかったことから、多少の不便さが感じられた。
(参考まで、https://gstv.co.jp/wp-content/uploads/2024/06/IGC2023国際宝石学会報告-1.pdf)
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| 実行委員メンバーとの集合写真 | |
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| 研究発表を行う筆者 | 会議の様子 |


