代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)太陽地球系物理学・科学委員会(SCOSTEP)総会
    (英文)SCOSTEP General Council Meeting
  2. 会 期
    2025年9月5日(1日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:総会
    2. 会議の開催周期:定期(2年に1回)
    3. 会議開催地、会議場:ポルトガル・リスボン、リスボン工科大学(Instituto Superior de Engenharia de Lisboa(ISEL))
    4. 会議開催母体機関:太陽地球系物理学・科学委員会(SCOSTEP)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:太陽地球系物理学科学委員会(SCOSTEP)、常設の国際学術団体(加入国数:36か国)
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
      15か国から約23名が参加。
      参加国:アルゼンチン、オーストリア、ブルガリア、カナダ、チェコ、フィンランド、ドイツ、イタリア、日本、ナイジェリア、ロシア、スロバキア、韓国、スペイン、米国
      日本からの参加者:
      塩川和夫:名古屋大学宇宙地球環境研究所所長/日本学術会議
      石井 守:名古屋大学宇宙地球環境研究所特任教授
      三好由純:名古屋大学宇宙地球環境研究所教授
    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
      会期:2027年7月頃
      開催地:韓国・仁川
      準備組織:太陽地球系物理学・科学委員会(SCOSTEP)
      主なテーマ:SCOSTEPの次期会長・副会長選挙
  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:

      2025年9月5日14:00‐16:30に本総会が開催された。
      主な議題は、SCOSTEPのリーダーシップ更新情報(2024‐2025年)、メンバーシップ更新情報、新しく決定された科学分野代表者、新しく作られた役員推薦委員会、SCOSTEP科学事務局更新情報、SCOSTEP各種委員会メンバーの開示、変動する太陽地球結合系の予測可能性(PRESTO)プログラム(2020‐2024)概要、次期プログラムの太陽地球システムのスケール間結合過程(COURSE)(2026‐2030)更新情報、第16回太陽地球系物理学(STP)シンポジウム(STP-16)の準備状況の更新、国際宇宙委員会(ISC)及び国連宇宙政策委員会(UNCOPUOS)活動更新情報、客員研究員 (SVS) プログラム、SCOSTEPが支援した能力構築スクール(2023‐2025)、オンライン能力構築講座、コミックブック最新情報が取り上げられた。
      表彰(2023‐2025):SCOSTEP Disinguished Service Award 2025授賞式
      財務状況:決算報告(2022‐2024)
      予算詳細:2023年、2024年、2025年見込み、会費
      関連会議については、https://iaga-iaspei-2025.org/を参照。

    2. 提出論文(日本人、日本人以外):なし
    3. 学術的内容に関する事項(当該分野の学術の動向、今後の重要課題等):

      SCOSTEPは国際学術会議(ISC)傘下の学術組織として、太陽地球系物理学において、地球惑星科学の分野間にまたがる広い領域で、一定期間(5か年程度)にわたる国際学術協力事業を立案・推進している。2020‐2024年には国際学術協力事業としてPRESTOプログラムを推進し、次期プログラムとしてCOURSEを2026‐2030に推進することが決まっている。本総会ではこれらのプログラムに関する活動状況が紹介された。

    4. その他の特記事項:

      日本は参加者である筆者がSCOSTEPの会長を務め、本会議も会長として開催・運営を主導した。筆者の会長任期はあと2年である。

所見

太陽地球系物理学は、安全安心な宇宙利用や地球の気候変動の理解・予測に必須な学問分野であり、この分野の国際動向の議論をリードしていくことは日本にとって重要なことである。SCOSTEPの会長、副会長、前会長及び8名の理事会メンバーのうち、現在は会長及び2名の理事が日本から選出されており、日本のこの分野に果たす役割の大きさを表している。今後、日本が大きな責任をもってこの分野をけん引していくことが期待されている。