代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)世界科学フォーラム(WSF)
    (英文)World Science Forum 2024
  2. 会 期
    令和6年11月20日~23日(4日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:対面会議
    2. 会議の開催周期:隔年
    3. 会議開催地、会議場:ハンガリー・ブダペスト
    4. 会議開催母体機関:ハンガリー科学アカデミー(The Hungarian Academy of Sciences)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:ハンガリー科学アカデミー(The Hungarian Academy of Sciences)がホストの下、6つのパートナー機関(国際連合教育科学文化機関(UNESCO)、国際学術会議(ISC)、インターアカデミーパートナーシップ(IAP)、世界科学アカデミー(TWAS)、欧州科学アカデミー諮問委員会(EASAC)、アメリカ科学振興協会(AAAS))の協力により開催
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関):

      参加国:ハンガリー、米国、ドイツ、ブラジル、南アフリカ、ヨルダン、日本など(122カ国・地域)

      参加者数:約1200名(うち日本人参加者14名)

    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
      会期:2026年
      開催地:インドネシア(予定)
      主なテーマ:Science for Global Resilience and Equity
  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:
      令和6年11月20日~23日 WSF2024関連会合への参加
      令和6年11月20日、22日 運営委員会への参画(WSF2024宣言に関する審議)
    2. 提出論文:なし
    3. 学術的内容に関する事項(当該分野の学術の動向、今後の重要課題等):

      世界科学フォーラム2024は、科学コミュニティーと社会、政策立案者、産業界の対話を促進する政策フォーラムであり、2003年から隔年で開催されている。2024年の本フォーラムは、ハンガリー科学アカデミー(The Hungarian Academy of Sciences)がホストとなり、11月20日(水)~11月23日(土)にかけて、ハンガリーのブダペストで開催された。

      会期中は、「The science and policy interface at the time of global transformation」のテーマの下、基調講演、プレナリーセッション閣僚級会合等が行われた。会合では、各国の著名な研究者のほか、国際機関、政府機関、産業界、マスコミ等の関係者が一堂に会し、4つのテーマ(①Trust in Science – Conceptualizing Trust in Science、②Risk Assessment – Weighing Risk in Policymaking、③Summit of the Future – Taking Forward the Results of the Summit of the Future、④Cooperation, Coordination and Governance in Science)で、活発な意見交換が行われた。

      また、筆者は20日(水)、22日(金)に開催された運営委員会に参加し、本フォーラムの成果文書であるWSF2024宣言「The science and policy interface at the time of global transformation」の審議に加わった。宣言文は、委員間及び参加者間での活発な議論が行われたのち、23日(土)にハンガリー国会議事堂で開催された閉会式において採択された。

      次回の本フォーラムは2026年にインドネシアで開催される予定である(時期は未定)。

    4. その他の特記事項(報告すべき審議内容・成果、日本が果たした役割、共同声明の有無、国内外での報道状況、次回開催に向けての課題等):

      会合においては、変革期における科学のあり方、科学に対する信頼確保に向けた方策、SDGs(持続可能な開発目標)やPact for the Future(未来のための協定)、International Decade of Sciences for Sustainable Development(持続可能な開発のための科学の国際の10年)に対する科学からの貢献、科学者と各種ステークホルダーとの連携、キャパシティビルディング、国際連携、教育、科学技術外交等に多岐にわたる課題について活発な意見が交わされ、その成果が宣言文として取りまとめられた。

      日本からは、テーマ①Trust in Science – Conceptualizing Trust in Scienceのプレナリーセッションに、梶田隆章氏(東京大学宇宙線研究所教授、第25期日本学術会議会長)が、テーマ②Risk Assessment – Weighing Risk in Policymakingのプレナリーセッションに、小池俊雄氏(国立研究開発法人土木研究所水災害・リスクマネジメント国際センター(ICHARM)センター長、東京大学名誉教授)が登壇するなど、本フォーラムにおける議論に貢献した。

      また、同フォーラムのタイミングに合わせて様々なサイドイベントや国際会議が開催された。筆者は、ハンガリー科学アカデミーからの推薦により、本フォーラムに合わせて開催された2024 High Level Workshop on the European Research Areaにパネリストとして登壇し、「未来の学術振興構想」等について紹介した。

所見

本フォーラムでは、各国の研究者のみならず、政府関係者、国際機関関係者、マスコミ関係者まで、多数のハイレベルの関係者と率直な意見交換の機会を得ることができた。このような、科学に携わる多様なステークホルダーが一堂に会して議論を行う機会は、相互の信頼醸成の上でも大変貴重である。本フォーラムの成果であるWSF2024宣言がより良い科学と政策の連携につながることを期待する。日本学術会議としても、引き続き、インドネシアで開催されるWSF2026に向けて、継続的な貢献をしてまいりたい。


  • 運営委員会における議論の様子

  • ハンガリー国会議事堂における閉会式