代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文)国際理論応用力学会議(ICTAM)2024
(英文)ICTAM2024 - 会 期
2024年8月26日から2024年8月30日まで(5日間) - 会議概要
- 会議の形式:対面、役委員会、シンポジウム、委員会
- 会議の開催周期:4年に一回開催
- 会議開催地、会議場:大韓民国・テグ広域市、EXCO(コンベンションセンター)
- 会議開催母体機関:国際理論応用力学連合(International Union of Theoretical and Applied Mechanics (IUTAM))
- 会議開催主催機関及びその性格:韓国数学会(The Korean Society of Mathematical Engineers (KSME))、
韓国理論応用力学委員会(KCTAM) - 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
参加国数:54の国と地域
参加者数: 2,882名
日本人参加者:119名 - 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
ICTAM2028はウィーン(オーストリア)にて2028年に開催予定
- 会議の学術的内容
- 日程と主な議題:
8月25日:参加登録開始
8月26日:開会式、基調講演、ミニシンポジウム、一般セッション、レセプション
8月27日:セクションレクチャー、ポスターセッション、一般セッション、IUTAM総会(第1回)
8月28日:受賞講演、一般セッション、IUTAM総会(第2回)等
8月29日:セクションレクチャー、ポスターセッション、一般セッション、コングレス委員会、バンケット
8月30日:基調講演、一般セッション、閉会式、理事会等 - 提出論文:
総提出論文数2,382本、うち日本からの提出論文数は119本であった。
- 学術的内容に関する事項:
本国際会議は流体力学および固体力学の理論と応用に関する最新の研究成果を世界的な規模で発表するものである。ここで取り上げられるトピックは、現在の当該学術分野の現在の動向と今後の方向性を決めるものである。ICTAM2024では基調講演2、受賞講演2件、セクションレクチャーセッション2件(16講演)、ミニシンポジウム2件(247講演)、テーマ別セッションでは流体力学分野が18件(909講演)、固体力学分野18件(756講演)、流体・固体の双方にまたがる分野で9件(240講演)が組織され、伝統的な分野から生命・環境の課題に関係する先端の分野まで多くの講演発表が行われた。さらに、Chemo-mechanics, Sot matter, biological/bioinspired material, health and sport, data-driven mechanics and AI, Dynamics of disease transmission, sustainability and climate changeなどのテーマを持つミニシンポジウムが組織された。力学は工学や理学といった分野にとどまらず、環境や生命分野と関係する幅広い展開に加えて数理・データ駆動科学やAIの成果の活用など、研究対象や手法とも大きく広がりを見せている。
- その他の特記事項:
・ 日本からの提出論文は119編で全体の5%、提出論文数では中国、韓国(今回のICTAM開催国)、インド、米国、フランスについで第6位となっている。
・ IUTAM総会においては、役員選出、規約改訂、IUTAMシンポジウムの決定などに5名の委員が投票権を行使した。また、コングレス委員会ではICTAMの開催に関わる重要事項の審議、次期開催地の決定等に2名のコングレス委員が貢献した。
・ 欧州の2つの出版社Cambridge University PressおよびElsevierによりBatchelor PrizeおよびRodney Hill Prizeが設けられている。今回の受賞者の前者はCharles Meneveau教授(米国・Jons Hopkins大)、後者はYonggang Huang教授(米国・Northwester大)で、それぞれの授与式と受賞講演が行われた。
- 日程と主な議題:
所見
ICTAMは4年ごとに開催され、今回で第26回目という長い歴史を持つ、流体力学および固体力学の理論と応用に関する研究発表が行われる世界的なイベントである。また、今回はIUTAMが結成されて100周年という記念すべき大会であった。2,882人の参加登録者がテグ広域市のEXCO(コンベンションセンター)に集結した。会議場では大小約30の部屋が、開会・閉会式、全体講演、招待講演、ミニシンポジウム、テーマ別セッション、諸々のビジネス会議、レセプション、バンケット等の会場に当てられた。約2,512件の論文の応募の中から2,382件(内訳:基調講演2、受賞講演2、セッションレクチャー16、招待講演212、一般講演1,575、ポスター 575)が採択・発表された。学術成果発表会は盛況で、どの会場も熱気に包まれていた。日本からの参加者は119名、論文発表は119件(世界で第6位)であり、コングレスの成功に日本も実質的な役割を果たした。また、学術セッションと並行してIUTAM理事会、IUTAM総会およびコングレス委員会等が開催され、国際会議の運営に関わる重要事項の審議に貢献した。IUTAMの総会では、特に本学術分野での研究に参加する研究者の多様性を増進させるためのIUTAMシンポジウムへの資金の提供、各種委員の改選における女性や派遣国の多様化のための積極的な方式の採用など、今後の国際学術会議における多様性の観点の重要度が増している。最後に、次期ICTAM2028の開催都市はウィーン(オーストリア)の予定である。