代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)第37回万国地質学会議及び国際第四紀学連合(INQUA)第四紀層序小委員会
    (英文)37th International Geological Congress (IGC) and INQUA-SQS committee meeting
  2. 会 期
    2024年8月25日から2024年8月31日まで(7日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:総会、対面
    2. 会議の開催周期:万国地質学会議(IGC)は4年に1回、第四紀層序小委員会(SQS)は不定期
    3. 会議開催地、会議場:IGCは大韓民国・釜山、BEXCO
      INQUA-SQSは近接のBusan Youth Hostel Arpina
    4. 会議開催母体機関:万国地質学会議(IGC)及び国際地質科学連合(IUGS)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:
      万国地質学会議(IGC)は、国際地質科学連合(IUGS)と共同主催として実施されており、地質科学における最大規模の国際集会である。IUGSの中の国際層序委員会(ICS)の小委員会である第四紀層序小委員会(SQS)と国際第四紀学連合(INQUA)との合同で次の4年間に活動を議論する会合が今回設けられた。
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)

      参加国数:94か国
      参加者数:約6,000名
      日本人参加者数:107名
      参加数の上位の5か国は、韓国、中国、米国、インド、日本

    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):

      会期  :次回の第38回IGCは2028年8月12日~20日
      開催地 :カナダ・カルガリー
      準備組織:IGC-LOC(IGCの現地組織委員会)
      主テーマ:Geosciences for Humanity

  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:The Great Travelers: Voyages to the Unifying Earth

    2. 提出論文:

      基調講演:圦本尚義・北海道大学教授
      (Anatomy of the solar system oldest rocks, Ca-Al-rich inclusions)等

    3. 学術的内容に関する事項:

      第四紀に関係する分野では、人新世作業部会から提出された人新世の提案がSQS-ICS-IUGSにおいて2024年3月に否決され、否決後の最初のIGCの会合となった。提案者のColin Watersが本会議において基調講演を行い、人新世の重要性を報告した。韓国でもKAIST(韓国科学技術院)に人新世研究センターが設置されるなど、国際的には大きく広がりつつある。地質科学が社会にどのように貢献するかという視点からすると、人新世の提案は、今後も継続して重要な課題の一つとなるであろう。

    4. その他の特記事項:

      国際評議員会では、IUGSの財務担当理事の北里洋理事が過去4年間の状況を報告し、日本が主導するプロジェクトを河村喜一郎教授が報告した。また、基調講演を圦本教授が行うなど重要な役割を担った。

所見

8月28日に行われた第四紀に関する会合では、今回のIGCにおいて承認されたSQSの新委員長のAdele Bertini教授、前SQS副委員長のMartin Head教授らと、今後の活動に関する方向性や運営方向に関して議論が行われた。新体制のSQSでは新規委員が過半数を占めることから、これまでの経緯を含めて早急にオンラインの会合を設けること、今期の活動内容の審議をすることが決められた。
 会議全体の印象としては、これまでの会合と比べて欧米の研究者が少なく、事務局発表は多いが参加者数は少ないように感じた。



会議が行われた釜山BEXCO
開会式におけるIUGS会長のJohn Ludden氏の挨拶
展示場およびポスター会場(アイスブレーカー時)
国際評議員会の様子