代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)第14回グローバルヤングアカデミー(GYA)総会
    (英文)The 14th General Assembly of the Global Young Academy (GYA)
  2. 会 期
    2024年5月7日から2024年月5月10日まで(4日間)
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:総会
    2. 会議の開催周期:毎年開催
    3. 会議開催地、会議場:アメリカ合衆国・ワシントンD.C.
      U.S. National Academies of Science, Engineering, and Medicine (NASEM)
    4. 会議開催母体機関:グローバルヤングアカデミー
    5. 会議開催主催機関及びその性格:グローバルヤングアカデミー(国際版若手アカデミー)
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
      参加国数:70か国以上
      参加者数:150名以上(オンラインなし)
      日本人参加者:小野悠・連携会員・日本学術会議
    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
      会期  :2025年
      開催地 :インド
      準備組織:グローバルヤングアカデミー
      テーマ :未定
  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:

      5月7日:
      オープニングセレモニー、活動報告、交流を深めるためのエクスカーション(ナショナル・モールのウォーキング・ツアー)

      5月8日:
      パネルディスカッション(テーマ:持続可能で包摂的な未来、競争と協調)
      パネルディスカッション(テーマ:若手の育成、リーダーシップ)
      パネルディスカッション(テーマ:社会課題の解決、社会的弱者)
      各メンバーによるライトニングトーク、ワーキンググループ(テーマ:科学外交、気候変動、国連SDGs、オープンサイエンスなど)

      5月9日:
      科学外交官クラブとのネットワーキング・基調講演、キーノートスピーチ(元国務長官科学技術顧問)
      パネルディスカッション
      (テーマ:科学の革新と変革、マルチステークホルダー・パートナーシップ)
      グローバルヤングアカデミー共同代表・運営委員選挙

      5月10日:
      グローバルヤングアカデミー総会

    2. 学術的内容に関する事項:

      本年度の第14回グローバルヤングアカデミー総会2024は、テーマを「持続可能な未来のための変革的・包括的な科学(Transformative and Inclusive Science for a Sustainable Future)」と題してアメリカ合衆国・ワシントンD.C.にて開催された。気候変動や戦争、紛争といった様々な社会課題が複雑化・顕在化する中での開催であったことから、持続可能で包摂的な未来に到達するための競争と協調の緊張関係についての議論から開始された。その後は、未来のリーダーシップをテーマとして、国内外で実施されている若手科学者育成プログラムの成果や課題について議論が行われた。また、こうした困難な時代において誰一人取り残されるべきではないという観点から、複雑化する課題がいかに社会的弱者に影響を与えるか、その影響を軽減する政策をいかにして立案しうるか議論が行われた。さらに、科学の革新(イノベーション)と変革(トランスフォーメーション)の違いの理解に基づき、革新的・変革的な科学を確立するためのマルチステークホルダー・パートナーシップの重要性について確認された。

    3. その他の特記事項:

      今後、本会議の内容を踏まえた声明が発表される予定である。

所見

本年度の第14回グローバルヤングアカデミー総会2024は全米アカデミーズ(National Academies of Science, Engineering, and Medicine)の主催で、全米アカデミーズの「New Voices in Science, Engineering, and Medicine」プログラムに参加する若手研究者との連携が行われ、国際的な若手科学者のつながりを例年以上に強める機会となった。グローバルヤングアカデミーは研究分野も国境も異なる200名の若手科学者が世界から集まる団体であり、国際的かつ学際的な若手科学者の団体として極めてユニークな存在である。近年の技術の進歩や多様で包括的な科学に向けた現在の取り組みが、いかにしてすべての人のための持続可能な未来を創造しうるかを再考する機会となった。地域社会の繁栄と幸福を確保するためには、変革的な科学に立脚し、現在および将来、社会が直面する複雑な課題に対処することが必要であること、社会が直面する複雑な課題に対処できるものでなければならないことなど、数多くの重要な課題について有益な議論が交わされた。



会議の様子
会議参加者たちとの集合写真