代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称
    (和文)欧州地球科学連盟2024年度総会
    (英文)EGU (European Geosciences Union) 2024 General Assembly
  2. 会 期
    2024年4月14日から2024年4月19日
  3. 会議概要
    1. 会議の形式:対面(一部オンライン・ハイブリッド)
    2. 会議の開催周期:EGUは毎年1回(CliCセッションは不定期開催)
    3. 会議開催地、会議場:オーストリア・ウィーン、Austria Center Vienna
    4. 会議開催母体機関:欧州地球科学連盟(European Geosciences Union)
    5. 会議開催主催機関及びその性格:
      参加セッションは「世界気候研究計画・気候と雪氷圏(WCRP CliC)」によって開催された。
      CliCはWCRPのコアプロジェクトのひとつで、寒冷圏およびその気候との相互作用に関する科学的取組の推進を目的とする。
    6. 参加状況(参加国名・数、参加者数、日本人参加者の氏名・職名・派遣機関)
      参加国 :カナダ、ポーランド、米国、ノルウェー、中国、フィンランド、ドイツ、インド、日本、その他。
      参加者数:参加セッションには50名ほどが参加(日本からも数名参加)。
      発表者は口頭9件、ポスター7件。
    7. 次回会議予定(会期、開催地、主なテーマ):
      会期・開催地:EGU2025は2025年4月27日~5月2日にウィーンで開催予定。
      CliCセッションは開催未定。
  4. 会議の学術的内容
    1. 日程と主な議題:
      CliC session “Interdisciplinary impacts and perspectives in a changing Cryosphere”
      4月17日14:00~15:45(口頭発表セッション)
      4月16日16:15~18:00(ポスター発表セッション)
      プログラム詳細は“EGU2024, CliC session program”参照。
    2. 提出論文:
      口頭発表9件、ポスター発表7件、発表者のうち日本人は報告者のみ。
    3. 学術的内容に関する事項:
      氷河、氷河湖、凍土、積雪、海氷など、雪氷圏構成要素の変動とその影響、特に社会へのインパクトを中心に研究発表と議論が行われた。氷河湖決壊、氷河上の有害物質蓄積、氷河変動と水力発電など、北極圏での研究を中心に活発な意見交換がなされた。報告者は北極域研究加速プロジェク(ArCS II)において実施するグリーンランドでの研究取組を紹介し、分野連携による雪氷圏変動と社会影響へのユニークな取組例として、活発な質問を受けた。
    4. その他の特記事項:
      雪氷圏と社会との関係性に力を入れるCliCが研究分野の振興を目的に主催したセッションにて口頭発表を行い、CliC SSG(Science SteeringGroup)メンバーとしての貢献を果たした。また日本が取り組む北極研究プロジェクトをアピールする機会となった。

所見

EGUはAGU(米国地球物理連合)と並んで、地球科学に関する世界最大の定例国際学会である。世界から研究者が集うこのような場で、雪氷圏に関する広い分野を対象としたセッションを開催することは、WCRP CliCが果たす役割のひとつといえる。様々な研究分野からの発表を基に、雪氷圏の社会影響に関する議論が展開され、セッションの目的は達成されたと考える。報告者は口頭発表を行うと共に議論に参加し、CliCのSSGとしてセッションに貢献し、日本の北極域・雪氷圏研究を国際的にアピールした。