代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)北極科学サミット週間2022、国際北極科学委員会(IASC)評議員会
    (英文)Arctic Science Summit Week 2022, International Arctic Science Committee Council Meeting

  2. 会 期

    令和 4年 3月 26日から令和 4年 4月 1日まで( 7 日間)

  3. 会議出席者名

    榎本 浩之

  4. 会議開催地

    トロムソ(ノルウェー)

  5. 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)

    49カ国、1612名、現地1名 リモート多数

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      3月24日 IASC の雪氷WG会合
      3月25日 IASC ExComm打ち合わせ
      3月26日 北極観測責任者フォーラム、IASCメダル講演会、IASC ExComm
      3月27日 IASC 大気、陸域WG会合
      3月28日 IASC評議会
      3月29日 ICARP会合
      3月30日 IASC評議会
      3月31日 AOS
    • 会議における審議内容・成果
      2021年の活動情報の取りまとめ、Carbon Footprintアクショングループの報告。長期計画を策定するICARP IVの内容についての議論をおこなった。ロシア観測継続の問題について意見交換を行った。新たなExcommメンバー3名の改選を行った。
    • 会議において日本が果たした役割
      Vice-Presidentとして参加。日本は5つのWGにすべてにWGメンバーとして参加。活動報告の作成に参加。ICARP IVの検討において、前回のICAR III実施経験から、内容の方向性や新たに期待すべきことについて意見を述べた。また、各種科学分野について、地域影響研究セッション発表やコミュニティ関連セッションでの意見交換、人材育成に関する情報提供などを行った。
    • その他特筆すべき事項

会議の模様

 2022年度は、2019年のアルハンゲリスク以来3年ぶりの対面式を含むハイブリッド形式で開催されたが、評議会委員24名中19名が現地参加しており、会議及び休憩時間も使い活発な情報交換や議論が行われた。
 ウクライナの状況に関しては、Closedセッションで1時間半の時間を使い、各国の状況や研究活動の短期・長期の課題に関し、活発な情報交換や意見交換が行われた。北極研究におけるロシアが占める地域や課題の重要性は共通の認識であった。国家がかかわる形の活動については停止することがやむを得ないとされた。活動休止や交流制限などの短期的な対処が必要とされる一方、長期的に科学が継続されることの重要性は共通の意見であった。また科学者個人や学生の活動は擁護されるべきであるとする意見は共通であった。特に昨年からロシア研究に関する国際グループISIRAの強化や今後の活動が期待されていただけに、ISIRAの今後についても懸案となっている。
 各報告の中では、Carbon Footprintアクショングループの報告が若手を中心にまとめられたこと、また各学協会の議論に先行してIASCで作業されたことが評価された。 各WGの報告、北極の科学現状(State of Arctic Science)の毎年の更新、さらに2025年を目指して纏められるICARP IV、そして2032年の開催のための議論が始まったIPYに関しての意見交換が行われ、現状の問題もあるなか、科学の将来に関する意識が高まっていた。

次回開催予定  令和5年2月17日~24日 オーストリア・ウィーン

北極科学サミット週間 会場の様子-01
北極科学サミット週間 会場の様子-02