代表派遣会議出席報告
会議概要
- 名 称
(和文)国際地図学会議
(英文)The 30th International Cartographic Conference - 会 期
2021年12月14日~18日
- 会議出席者名
会長、副会長、専門委員会構成員、その他(研究発表者、地図展示責任者等)
- 会議開催地
フィレンツェ(イタリア)(COVID-19感染拡大によりハイブリッドで開催)
- 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
約60か国、参加者630名、うち日本人15名(公式発表前のため概数)
- 会議内容
- 日程及び会議の主な議題
国際地図学協会(ICA)の総会は、4年に1度の開催となっており、今回は開催されなかった。また公式の役員会も開催されず、研究発表と地図展示のみであった。
開会前日の12月13日(月)には、専門委員会が主催する各種のプレコンファレンス会議がハイブリッドまたはオンラインで開催された。開会式はヴェッキオ宮、研究発表はフィレンツェ大学、閉会式はストロッツィ宮、国際地図展はイタリア軍事地理研究所、子ども地図展はマージ礼拝堂を会場にして、それぞれ開催された。また、ポスター発表はオンラインで実施された。会期中の行事は、以下の通り。
12月14日(火) 開会式(対面のみ)
12月15日(水) 基調講演「デジタルトランスフォーメーション時代の地図学」、パネルセッション「地理空間データ、ダッシュボード、解析およびコミュニケーション-COVID-19の教訓-」、パラレルセッション(6会場)、国際地図展、子ども地図展(いずれもハイブリッド)
12月16日(木) 各国地図作成機関意見交換会、、パラレルセッション(6会場)、国際地図展、子ども地図展(いずれもハイブリッド)
12月17日(金) 基調講演「SDGsに対するICAの貢献」、パラレルセッション(6会場)、国際地図展、子ども地図展(いずれもハイブリッド)
12月18日(土) パラレルセッション(4会場)、オリエンテーリング競技会、閉会式 - 会議における審議内容・成果
パネルセッションではCOVID-19を契機に普及したダッシュボードと地図を組み合わせた情報発信がとりあげられたり、研究発表でもCOVID-19に関連した内容のテーマが少なくなく、コロナ禍の世界を地図で可視化する試みが今回の大会の1つの特色であったといえる。また、前回大会から継続して国連とICAが連携したSDGsへの地図学の貢献について、前会長の基調講演のほか、いくつかのパラレルセッションで議論された。このように、世界が直面する課題にICA全体で向き合う姿勢が前面に出た大会だったといえる。
研究発表全体でみると、ソーシャルメディアなどから得たビッグデータや衛星画像と機械学習を組み合わせて、地図作成や分析を自動化する取り組みが活発化したように見受けられる。こうした動きは前回大会でも始まっていたが、地図学へのAI(人工知能)の応用は今後ますます盛んになると思われる。今後はこの分野での日本からのいっそうの取り組みが求められる。 - 会議において日本が果たした役割
会期前には日本国内のCOVID-19感染が沈静化しつつあったなかで、欧州では新たな変異株による感染が急拡大しており、多くの参加者が渡航を見合わせざるをえなかった。ただし、研究発表は前々回のワシントン大会なみの件数を確保することができた。
また、国際地図展において日本の国土地理院が出品した作品がパネル地図部門で3位に入賞した。過去の大会でも日本からの地図作品がいずれかの審査部門で連続受賞しており、地図作成の水準の高さを対外的にアピールすることができた。
若林が委員長を務めるユビキタスマッピング専門委員会は、地図とインターネット専門委員会と共同で12月13日にプレコンファレンス会議「動的事象のウェブによる可視化とユビキタスマッピング」を開催するとともに、パラレルセッションでも2つのセッションを担当した。 - その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
なし
- 日程及び会議の主な議題
会議の模様
- 次回開催予定 2023年8月14日~18日 ケープタウン(南アフリカ)