代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)政府に対する科学的助言に関する国際ネットワーク第4回総会
    (英文)4th International Conference on Science Advice to Governments

  2. 会 期

    2021年8月29日~9月2日 ※2年に一度開催

  3. 会議出席者名

    新福洋子

  4. 会議開催地

    ハイブリッド開催(カナダ・モントリオール、オンライン)

  5. 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)

    50か国、150名(遠隔視聴者2000名)、日本人4名

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      “Build Back Wiser : Knowledge, Policy, and Publics in Dialogue”(より賢明な復興:対話の中の知識、政策、市民)と題し、COVID-19パンデミックが引き起こした人類の社会的、技術的、政治的な課題を科学と政策の接点から議論する。多くの世界的な脅威、急速なデジタル化、社会的不平等、政治的分局化がパンデミック化で顕在化し、政府に対する科学的助言の理論と実践が変化している。科学的助言は社会、政策、市民社会の関係における多様な文脈と劇的な変化に対し、多様な道筋をたどると考えられ、国際社会がより賢明な復興を目指すため、パンデミックから得られた教訓を検討する。
    • 会議における審議内容・成果
      1日目は「Promise and Pandemic: Reshaping Science Advice」と題され、Covid-19で従来の科学的助言の制度が機能しなかった事例と、新たな取り組みが紹介され、「包括的な科学的助言」に向けて構造的変化の必要性が議論された.
      2日目は「Foresight and Resilience: From SDGs to Emerging Technologies」と題され、Covid-19で促進されたデジタル化、また世界的な課題として継続する気候変動、生物多様性の損失について、科学的助言が持続可能な社会の変革のためにどのように役立つのかが議論された.
      3日目は「Evidence and Democracy: Sustaining Trust in a Challenging World」と題され、インターネット社会の中でフェイクニュースや信頼の欠如に関わる課題が増加し、科学的助言の信頼性と正当性を高めるため、エビデンスと民主主義における科学的助言の重要性、またその実践と原則について議論された.
      4日目は仏語圏の参加者対象にフランス語で行われた.
    • 会議において日本が果たした役割
      有本建男氏がプログラム委員会のメンバーであり、水鳥真美氏、狩野光伸氏の登壇があった。

会議の模様

オンデマンド配信で公開されており、https://www.ingsa.org/ingsa2021/よりアクセス可能である。会議のまとめとして、前代表のPeter Gluckman氏、代表のRemi Quirion氏が述べた課題(ポストノーマル・サイエンス、フォーマルまたはインフォーマルな科学的助言、ワクチンナショナリズム、学際的活動、科学と社会の関係性の変化、科学的助言の倫理ガイドライン、local-national-regional-globalの多層的交流、市民のエンゲージメント、能力構築、Global Young Academyを介した若手研究者との連携)は日本においても重要な課題であり、以後も積極的な参加が求められる。

次回開催予定  2023年