代表派遣会議出席報告

会議概要

  1. 名 称

    (和文)国際地理学連合(IGU)第34回国際地理学会議(IGC)
    (英文)IGU 34th International Geographical Congres

  2. 会 期

    2021年 8月16日~20 日(5日間)

  3. 会議出席者名

    氷見山幸夫(学術会議連携会員、国際地理学連合(IGU)前会長、北海道教育大学名誉教授)

  4. 会議開催地

    トルコ国イスタンブル市(オンライン開催)

  5. 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)

    77か国、688名、日本人58名

  6. 会議内容
    • 日程及び会議の主な議題
      国際地理学連合(IGU)第34回国際地理学会議(IGC)は2021年8月16日~20日にイスタンブル大学を主会場としてオンラインで開催された。この会議は2020年に開催されるはずだったが、コロナ禍のために1年延期され、2021年に再度コロナ禍のために現地開催ができず、オンラインで開催されたものである。このように多難な中で開催された会議ではあったが、2021年という、第1回IGCがベルギーのアントワープで1871年に開催されてから丁度150年の節目の年での開催となった。会議の延期により、当初約2000件あった提出論文数は約3分の1の638件に減少したが、滞りなく、成功裏に終えることができた。内訳は口頭発表555件、ポスター発表83件である。
      IGUの最高意思決定機関は加入各国の国内委員会(National Committee)の代表からなる総会であり、通常はIGCの会期中にオンサイトで開催される。2020年のIGCイスタンブル大会が延期になったため、そこで行われるはずだった総会も通常の開催ができなくなった。そこで、オンラインで実施可能な審議は日にちを動かさずにオンラインで実施し、その他の議案は1年後の2021年IGC大会会期中の8月16日と17日にオンラインで開催された。主な議題としては、会計監査、表彰、業務報告があげられる。
      IGC期間中の8月19日、役員会が開催された。コロナ禍のため基本的にオンライン開催だったが、主会場のイスタンブル大学に行くことができたフランスとスペインの役員(副会長)は現地参加となった。議題は総会関連、研究集会、研究委員会、表彰、出版、発信、GeoUnions、ISC関連などいつもながら多岐にわたる。
    • 会議における審議内容・成果
      IGCの主要課題は国際的連携と共同、国際理解、災害とリスク、ジオパーク、メガシティ、土地劣化と砂漠化、土地利用変化、地理情報科学、農村持続可能性、自然地理、人文社会地理、地理教育、SDGsなどである。
    • 会議において日本が果たした役割
      IGCでは、日本から計55件の発表がなされたが、この件数は国別で第1位である。なお第2位は中国の52件、第3位はインドの38件で、アジアの3大国の存在感が顕著であった。IGUは本報告者が会長を務めていた2016年~2020年から地理学を「持続可能な発展のための科学」と捉え、SDGs(国連の持続可能な開発目標), Future Earth, ESD(持続可能な開発のための教育)への貢献、およびそれら三者の連携強化への関与を強めている。 日本学術会議においてもそれと連携した活動を行なっている。
    • その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
      オンライン開催だったため、社会的なアピールはできなかった。

会議の模様

イスタンブル大学に設置された会議本部の様子を写真で紹介します。同時進行のパラレルセッションを支障なく実施するためにスタッフが間隔をあけて配置され、部屋の中央に全体を統括する「実施本部」が置かれています。

IGU会議本部の様子
IGU集合写真

次回開催予定
2022年7月18日~22日(パリでIGU創立百周年記念特別国際地理学会議Extraordinary IGC)が開催される。