第1回IHPSTアジア地域会議

代表派遣会議出席報告

会議概要

名称

(和文) 第1回IHPSTアジア地域会議

(英文) First International History and Philosophy of Science and Teaching (IHPST) in Asia Conference

会期

2012年10月18日~20日(3日間)

会議出席者名

基調講演:Yung Sik KIM(ソウル国立大学)、Norman LEDERMAN(イリノイ工科大学)、Hasok CHANG(ケンブリッジ大学)

シンポジウム:Igal Galili (ヘブライ大学)、橋本毅彦(東京大学)、Alice Siu Ling Wong(香港大学)

会議開催地

ソウル国立大学校冠岳キャンパス

参加状況

(参加国数、参加者数、日本人参加者)21カ国、229名(発表者/役員、うち日本人8名):来場者20カ国 159名(うち日本人10名)

会議内容

日程及び会議の主な議題

2012年10月18-20日:

1.基調講演3件

2.シンポジウム1件

3.以下議題での分科会(4分科会・2時間×4,1.5時間×1、ポスターセッション×2、高校生ポスターセッション)

発表総数137:口頭発表78、ポスター一般55,高校生ポスター4

科学の信念・倫理・価値

科学におけるコミュニケーション

科学における概念形成

創造性と科学的精神

理科のカリキュラムと教科書

近代科学の歴史・哲学・教育

科学の本性と科学的探求

科学の文化と市民理解

アジアという文脈における科学

社会と科学との双方に関わる問題(SSI)と科学技術社会論(STS)

会議における審議内容・成果

理科教育・科学教育における科学の本性と社会的要素の重要性

東アジアの特性を生かした理科教育・科学教育の必要性。

会議において日本が果たした役割

発表者8名、企画委員2名。

) 会議の模様

International Union of History and Philosophy of ScienceはInternational Council of Scienceの下部グループ(1987年設立)である。ただし、科学史技術史部門DHST科学史教育委員会が科学基礎論部門DLMPSも含める形で拡大した組織とは異なる。

今回の大会はアジア地区初めてのIUHPS地域会議となる。

カバーする分野は科学史・科学哲学・科学教育であったが、当日登録者(ほぼ韓国人)も含めて発表者・参加者の大多数は理科教育の研究者・大学院生であり、口頭発表でも理科教育の実践を念頭に置いた研究成果・調査報告が圧倒的に多かった。その中で、原子力発電・バイオテクノロジーなどSSI(socio-scientific issues、社会と科学との双方に関わる問題)の重要性が強調され、初中等教育の理科教育、および高等教育における科学教育に社会・文化的要素、とりわけ倫理への配慮を含める必要が中心的議題となっていた。また、科学的知識の量と科学技術の社会への応用に関する意思決定には相関が見られず、科学に対する態度と意思決定に相関が見られることが複数の発表で指摘された。

日本人の発表に対しては、各国の参加者から日本の状況と国際比較についての質問が相次いだ。教育白書の作成に関しては特に韓国の国内的な事情を反映して政治状況や政策的な側面にまで踏み込んだ質問があった。

科学史的内容を教育に活用することで科学理解を増進する試みについて、基調講演でも紹介されるなど、科学史と理科教育の親和性が強調されていた。また、科学哲学と科学の本性(Nature of science)の定義についてはLedermanが提案した理科教育で用いられる区別が前提となっていることが参加者の多くで共有されていた(ただしMatthews(2012)では実験に関する内容を追加することが提案されている。)。

今回の会議の共催機関として、韓国NRFのほか、韓国理科教育学会、韓国科学史学会、また後援機関として韓国科学哲学会が加わり、研究者同士も密接な関係にあることがうかがわれた。日本における初中等教育と高等教育との、また理科教育と科学史・科学哲学とのコミュニティの交流強化が必要であり、事前ワークショップなどによる問題意識の交換と概念の共有化が有効と思われる。

なお関連学会として、2013年7月4-5日香港で開催されるEast Asia Association of Science Educationおよび次回大会(国立台湾師範大学、2014年12月中旬)のアナウンスがあった。

次回開催予定 2014年12月中旬

開会式

開会式