1 名 称 国際北極科学委員会 (IASC評議会およびIASC関連会議)
International Arctic Science Committee (Council Meeting and it’ related meetings)
2 会 期 2010年 4月15日~18日(4日間)
3 会議出席者名 神田啓史(国際対応分科会委員)
4 会議開催地 デンマーク国、グリーンランド、ヌーク市
5 参加状況 (参加国数、参加者数、日本人参加者) 参加国18カ国,参加者数18名(各国代表1名、日本人1名参加、ロシアは不参加、他に約20名のオブザーバーを含め40名が参加)
6 会議内容
・日程及び会議の主な議題
4月15日、16日の両日、グリーンランドのヌークとコペンハーゲンの両会議場からテレビを介して会議が開催された。評議会の主な議題は新しいIASCの組織改革とプレジデント、副プレジデントの選考であった。
・会議における審議内容・成果
IASC新組織が実質的にスタートすることになった。1) 陸域 (Terrestrial)、2) 氷雪圏 (Cryosphere)、3) 海洋 (Marine/AOSB)、4) 大気圏 (Atmosphere)、5) 社会と人間 (Social and Human)の5つの常置作業グ
ループの発足が決定した。具体的な活動として、平成22年11月8-10日(実際は平成23年1月14、15日の両日に開催された)、ドイツ、ポツダムにおいてすべての作業グループのメンバーが集うIASC Workshopを
開催することになった。さらに次期プレンジデント等の選出があった。次期IASCプレジデントはデビット・ヒック(カナダ)が就任し、副プレジデントはジャッキー・グレブマイヤー(米国)及びビョンクァ
ン・パク〈韓国〉が再任、ナヤ・ミッケルセン(デンマーク)、スーザン・バール(ノルウエー)が新たに選出された。
・会議において日本が果たした役割
平成22年12月6-9日、東京神保町の一橋会館で、第2回国際北極研究シンポジウムが開催された。このシンポジウムの主催は日本学術会議地球惑星科学委員会国際対応分科会(IASC小委員会)である。
このことを紹介し、参加を呼び掛けた。また、同時に日本がホストとなり東京で予定されている太平洋北極海洋会議(Pacific Arctic Group)はIASCに関連する会合であるため、協力を呼びかけた。
・その他特筆すべき事項
IASC新組織の1つとして位置づけられているAction Groupに関しては、IASCが発足して以来20年を経過しているために、IASC定款 (Founding Article)の見直しをするグループが必要であるという提案、
北極域を持つ国の科学大臣が参加する科学フオーラムの設立の提案があった。
7 会議の模様 4月14日のアイスランドの噴火により、ヨーロッパとの空路が寸断され、グリーンランド、ヌークのグリーンランド庁舎内の会議室とコペ
ンハーゲンの極地研究所会議室の2カ所を結んで、テレビ会議方式(ad hoc video connection)で会議が進行した。当初のIASC評議会の予定は4月17日であったが、急きょ、15日、16日の両日、会議が行
われた。とくに、プレジデントのクリスチャンセン(アイスランド)、事務局長のフオルカ・ラコルド(ドイツ)がコペンハーゲンの会場において対応した。
昨年のノルウエーのベルゲンにおいてIASC評議会の席上、IASC新組織に反対を表明し、欠席したロシア問題についての説明があった。ロシアは本年度も欠席したが、プレジデントのクリスチャンセンは、
ロシア科学アカデミーとの根強い交渉を続けており、ロシアを説得する方向は変わっていない。また、IASCは非政府間の科学会議であり、ロシアの反対で、再度、議論し、投票を行う筋のものではないと
いうことを確認した。今後、科学アカデミーとのポジティブな交渉を続けることで、IASC新組織を前に進める事になった。このことは日本においても直接に関連することで、IASC 評議会の日本代表一人の
他に、日本を代表する分科会委員、最低5名(最大10名)を早急に決める必要がある(その後、日本学術会議IASC小委員会を3回開催し、5名の委員が決定している)。
次回開催予定:
平成23年3月27日~4月1日、韓国、ソウルにおいて開催予定。更に、平成23年4月22日-27日、カナダ、モントリオールでIPY Conference ”From Knowledge to Action” が開催される時に、ASSW(Arctic Sc
ience Summit Week) 2012の開催を行い、IASC評議会も開催される予定である。

グリーンランドのヌーク市内 IASCの会議場 合同会議 テレビを介してのコペンハーゲン合同会議
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