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代表派遣会議出席報告
1 会議概要コペンハーゲン
1)名 称 (和文)国際結晶学連合財務委員会
      (英文)Finance Committee Meeting, International Union of Crystallography (IUCr)
2)2008年3月31日?4月2日
3)会議出席者名 大橋裕二(IUCr会長)
4)会議開催地 デンマーク国コペンハーゲン市 コペンハーゲン大学
5)参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者):参加国数 3カ国、参加者数 9人、日本人参加者 1人
6)会議内容
・日程及び会議の主な議題
平成20年3月31日午後は予備討議、4月1日午前9時よりコペンハーゲン大学会議室に於いて、会長、庶務・財務担当理事、財務担当委員3名と事務局員4名による討議を開始し、当日6時まで審議継続、 引き続き4月2日は近くのWiley-Blackwell社の会議室で討議継続し、その後、同社の出版担当社員と現在委託中のIUCr出版雑誌の今後について討議した。午後4時終了した。本会議においては主として、 出版事業の財務状況とIUCrの財務状況について検討した。
・会議における審議内容・成果
出版事業については、今年から始めたActa Crystallographica E誌のopen access journal化について現状では、投稿数の減少は見られないので、成功と言えるが、もう少し様子を見ることとした。 IUCrの財政状況は投資部門で幾分の悪化があるが、とくに大きな変化は見られない。2008年度からの3年間の予算が認められた。
・会議において日本が果たした役割
現在のIUCrは大橋裕二が会長として運営の全責任を担っている。また次回のIUCr大会は本年8月に大阪で開かれることになっており、日本の組織委員会がその準備を進めている。
2.会議の模様
財務委員会は年2回開かれ、1回目は3月末、2回目は8月に開かれる理 事会の前日に開かれる。IUCrの事務局は英国チェスター市に存在するが、登記上の本部はスイスのジュネーブに存在するため、年度の決算を行う財務委員会は英国外で開催されるのが原則である。 そのため出版事業に対する税金対策や剰余金の投資事業が比較的自由に行える。財務委員会の適切な運営によって、ICSU加盟の国際学会の中では最大の組織となっている。最大の事業は8冊の雑誌発行であるが、 すべて黒字運営となっており、その剰余金は世界各地で開かれる結晶学関連の国際会議に出席する若手研究者の旅費援助に向けられている。今年度は年間125,000米ドルを拠出している。 また今年8月に開かれるIUCr大阪大会の若手研究者の旅費援助に50,000米ドル、開発途上国のシニア研究者には15,000米ドルの旅費援助を決定している。 3年前から電子ジャーナル誌として発行されてきたActa Crystallographica E誌は購読者が少ないにも拘わらず、投稿数は年間5,000件を超える雑誌として成長してきたので、 近い将来に膨大な赤字を作りだす原因となることが予想された。そこで、本年4月から著者が投稿料を支払い、読者は無料で読める雑誌というopen access journal誌に移行することを決定した。 投稿数の大幅な減少が危惧されたが、本年3月までの3か月間では、前年と変わらない投稿数であることが報告され、ひとまず成功と言える。今年8月の大会で目指している加盟国倍増計画について報告され、 20カ国の加盟が見込まれることが報告された。次回は8月の大阪大会の直前に開かれる理事会(8月19日?21日)の前日の18日に開かれる。

次回開催予定:2008年8月18日 大阪リーガロイヤルホテル会議室

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