平成17年8月31日 |
日本学術会議は、第18期学術と社会常置委員会報告「科学における不正行為とその防止について」、そして第19期学術と社会常置委員会報告「科学におけるミスコンダクトの現状と対策-科学者コミュニティの自律に向けて-」、を発表した。
これは、科学におけるミスコンダクトが、科学の健全な発展を妨げるだけでなく、科学に対する社会の信頼を損なう行為であり、その防止が、科学者コミュニティが果たすべき社会に対する責任であることを指摘し、科学者コミュニティに属する個人及び組織それぞれに対し、倫理性を向上し、ミスコンダクトを防止するため、以下の活動に積極的に取り組むよう訴えたものである。
・ 科学者個人に対して 科学におけるミスコンダクトの重大な意味を理解し、自ら高い倫理性を持って、誠実かつ謙虚に科学研究の遂行にあたるべきこと。それとともに、周辺の科学者に対しても、そのように振舞うよう求め、研究組織全体の倫理意識が向上するよう努めるべきであること。学生、大学院生の指導にもこのことを反映させること。
・ 研究機関、学会、研究資金提供機関に対して 倫理綱領等を早急に制定・整備し、その普及・浸透をはかるべきであること。さらに、ミスコンダクトの申し立て審理、裁定の手続きを規定し、周知させること。
・ 日本学術会議においては、科学者コミュニティを代表する立場から、科学者コミュニティの自立性を高めるために、関係諸機関と連携して、倫理活動を展開するとともに、ミスコンダクト審理裁定のための独立した機関を早い時期に設置することを検討すべきこと。
科学技術における高い倫理性は、「品格ある国家の実現」(日本の科学技術政策の要諦)にとり不可欠のものであり、日本学術会議においては、この問題を積極的に取り組み、実効ある活動を推進していく所存である。 |
日本学術会議会長 黒川 清 |
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