公開シンポジウム「睡眠・冬眠と体内時計 〜生物リズムの進化から未来社会を考える〜」

 現代社会は人工照明や高度情報通信ネットワークの発達により、昼夜に関わらず活発な活動を継続できる24時間型社会が実現しています。このような社会は便利で効率的である一方で、不規則な生活や夜ふかし習慣などによる体内時計の乱れや慢性的な睡眠不足は様々な病気のリスクと関連します。24時間型社会の持続には医療従事者等の昼夜交替性勤務が欠かせず、シフトワーカーの乱れやすい体内時計のケアも現代社会の大きな課題です。これらの問題は、「進化の過程で形成されてきた生物リズム」と「人類が構築してきた現代社会の環境」とのミスマッチから生じています。そもそも、なぜ私たちには体内時計が備わっており、毎日眠る必要があるのでしょうか。また、自然界ではある種の動物に冬眠という現象が見られますが、冬眠はヒトの睡眠とどのように関係するのでしょうか。ヒトも冬眠できる可能性はあるのでしょうか? また冬眠できるとしたら、どのようなことが可能になるでしょうか? そして、人類は今後、睡眠や体内時計とどのように付き合ってゆく必要があるのでしょうか。本シンポジウムでは、睡眠・冬眠と体内時計の進化学的側面に焦点を当て、人類の未来社会について参加者の皆様とご一緒に考えたいと思います。

イベント概要

開催日時 令和7年(2025年)3月29日(土)13:00 ~ 15:50
開催地 オンライン開催
対象 どなたでも参加いただけます。
定員 1,000名
プログラム
13:00-13:05 開会の挨拶
深田 吉孝(日本学術会議第二部会員、東京大学・名誉教授/東京都医学総合研究所・客員研究員)
13:05-13:10 シンポジウム企画趣旨の説明
司会
安尾 しのぶ(日本学術会議連携会員、九州大学大学院農学研究院 教授)
志賀 向子(日本学術会議連携会員、大阪大学理学研究科 教授)
モデレーター
遠藤 求(日本学術会議連携会員、奈良先端科学技術大学院大学 教授)
13:10-13:35 講演1:「体内時計35億年の進歩と調和 〜ヒトの未来社会へむけての提言」
重吉 康史(日本学術会議連携会員、近畿大学医学部)
13:35-14:00 講演2:「睡眠の遺伝子を求めて 〜朝型・夜型遺伝子とショートスリーパー遺伝子の発見」
平野 有沙(筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
14:00-14:25 講演3:「ヒヒも悩む? 安全と快適な眠りの進化的妥協」
松本 晶子(日本学術会議連携会員、琉球大学国際地域創造学部)
14:25-14:35 休憩
14:35-15:00 講演4:「トカゲの眠りから探る睡眠の進化とメカニズム」
乘本 裕明(名古屋大学大学院理学研究科)
15:00-15:25 講演5:「睡眠と冬眠:”眠り”の進化と未来」
櫻井 武(日本学術会議連携会員、筑波大学医学医療系国際統合睡眠医科学研究機構・教授/副機構長)
15:25-15:45 視聴者との質疑応答
15:45-15:50 閉会の挨拶
尾崎 紀夫(日本学術会議第二部会員、名古屋大学大学院医学研究科・教授)
 申し込み 参加費無料・要事前申込(申込期限:3月25日)
以下のページのリンク先よりお申込み下さい。
参加申し込みページへのリンク
 問い合わせ 公開シンポジウム「睡眠・冬眠と体内時計」事務局
metab.behav(a)gmail.com ※(a)を@にしてお送りください。
備考 主催:日本学術会議 基礎生物学委員会・基礎医学委員会・臨床医学委員会・心理学・教育学委員会合同 生物リズム分科会
共催:日本時間生物学会、日本睡眠学会