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代表派遣会議出席報告

1 名 称   第15回国際地図学協会総会・第25回国際地図学会議
        (The 15th General Assembly of the International Cartographic Association, and the 25th International Cartographic Conference)

2 会 期 平成23年7月3日~8日(6日間)

3 会議出席者名 森田 喬、熊木洋太

4 会議開催地  フランス、パリ

5 参加状況(参加国数、参加者数、日本人参加者)
        85カ国から約1300名が参加、日本人参加者は21名

6 会議内容
 ・日程及び会議の主な議題

 総会:7月3日及び8日、国際地図学会議:7月3日~8日

 ・会議における審議内容・成果
 総会:Georg GARTNER (オーストリア)を次期会長、Laszlo ZENTAI(ハンガリー)を次期事務局長、および7名の副会長を選出した。2年後の国際地図学会議はドイツのドレスデン、4年後の総会・国際地図学会議はブラジルのリオデジャネイロにおいて開催することが決まった。
 また、日本提案のICAユビキタス・マッピング・コミッションの継続が認められ,委員長に有川正俊氏(東京大学教授・日本国際地図学会常任委員)が就任した。
 国際地図学会議:5件の基調講演、480件の口頭発表、197件のポスター発表があった。国際地図展には35カ国から約500点、国際子供地図展には31カ国から約190点の地図類の出展があった。

 ・会議において日本が果たした役割
 日本からの発表は口頭発表13件、ポスター発表7件でこれまでで最多であった。
 国際地図展において、部門別に優秀作品が選ばれたが,「その他」部門で,わが国出展の ”Kii-Kinki 360° panorama map”、1:50,000,400mm×3140mm、Author:ODA Masaki (The Workshop Studio "Tonbi's Eye")が第1位となり閉会式において表彰された。
 正井泰夫・元日本国際地図学会会長が、ICA都市地図コミッション委員長およびICA表彰委員会委員の活動を通じてICAに多大な貢献を行ったとしてICAの「名誉会員」に選ばれた。

 ・その他特筆すべき事項(共同声明や新聞等で報道されたもの等)
 上記国際地図展受賞について、9月1日に中国新聞おいて紹介記事が掲載された。

7 会議の模様
 1)50周年記念大会:国際地図学協会(ICA)では第1回目の総会が50年前の1961年にフランスのパリで開催されたが、今回の第15回ICA総会及び第25回国際地図学会議(ICC)は、その50周年記念大会として総合テーマ「輝く光を地図学およびGISへ」のもとにパリのパレデコングレにおいて開催された。
 2)総会:第15回ICA総会は,7月3日(日)に第1回会合が,また8日(金)に第2回会合が開催され,日本からは,日本学術会議の代表派遣により森田と熊木が出席した。
  1.新加盟国・除名国
  新規にウルグアイの加盟が承認され、一方10年以上にわたって連絡が途絶えているアルバニア,ギニア(コナクリ),ニカラグア,パナマ,カタール,エルサルバドル,スーダン,チュニジアの計8カ国が除名となった。
  2.新賛助会員
  中華民国地図学会,ニュージーランド土地情報局,ポーランド地図学会,Springer Verlag社,国際連合地図部,米国地質調査所(USGS)が新たに賛助会員として承認された。
  3.2011-2015年の予算
  次期の予算€186,000が可決された。前期2007-2011年の支出は€130,911であった。
  4.コミッション(研究分野別の委員会)
  2011-2015年に活動を予定している以下の28のコミッションの設置と,その主査が決まった。
  認識としての視覚化、地図デザイン、アートと地図学、地図学史、地図投影法、理論地図学、データ品質、アトラス、衛星画像からの地図作成、地理空間分析とモデル化、ジオビジュアライゼーション、地図とインターネット、ユビキタスカートグラフィー(主査:有川正俊)、デジタル技術と地図遺産、オープンソース地理空間技術、総描と多面的表現、惑星地図学、山岳地図学、ネオカートグラフィー、視覚障害者のための地図とグラフィックス、地図と社会、地図利用とユーザ問題、地図と子供、教育訓練、持続可能のための地理情報、地図作成とジオビジネス、早期警戒・危機管理のための地図学、地理情報基盤と標準
  5.次期理事会メンバー
  会長にG. GARTNER(オーストリア),事務局長・会計責任者にL. ZENTAI(ハンガリー),副会長7名に; Derek Clarke(南アフリカ:再任)、Menno-Jan Kraak(オランダ:再任)、Sukendra Martha(インドネシア)、Paulo Menezes(ブラジル)、Anne Ruas(フランス:再任)、Timothy F. Trainor(アメリカ:再任)、Liu Yaolin(中国)が選出された。
  6.第16回ICA総会・第27回ICC開催地
  2015年の開催地として立候補しているニューヨークとリオデジャネイロが,それぞれ招致のためのプレゼンテーションを行い、投票の結果ブラジルのリオデジャネイロに決まった。
  7.新執行部に対する各国代表からの要望
  ICA活動としてアフリカにもっと目を向けて欲しい、ICSUの会員カテゴリーの変更の可能性を探るべき、との意見があった。
 3)基調講演:以下の5件の講演があった。(1)開会式において、 元フランスの外交官で,地図を使って国際政治を解説するテレビ番組を制作しているJ.-C. VICTOR氏による「地図-教育のツール・市民のツール・政治のツール」という講演が行われた。(2) Gilles PALSKY(パリ第1大学教授)より2010年5月に亡くなったJ.ベルタンを追悼して「ベルタンの業績」としてベルタンの主要著書「図の記号学」の出版以前の活動にまで遡り、詳細な報告があった。 (3) OGC(Open Geospatial Consortium)ヨーロッパ代表のAthina TRAKASより “Critical role of open standards in SDI's and INSPIRE”と題して地理データの相互運用性及び共用性の確保の意義について講演があった。(4) D.BOULLER(パリ政治学院教授)より”From GIS to Folk Mapping and Datascapes”との題目で、近年の地図メタファー利用の情報表現の事例を参照しながら、今後は固有座標的かつ現実空間と結びつきがうすい地図作成も増えて来るであろうとの刺激的な講演があった。
 4)研究発表:38のセッションテーマのもとに約480件の口頭発表が行われた。セッション数が多いテーマは、記号論・地図の知覚・認識・知識(8)、デジタル技術と地図遺産(8)、地理空間分析(7)、地図と地理データベース構築技術(7)地図利用と利用者の課題(6)、地理空間視覚化・拡張現実・仮想現実(5)、総描・多段階縮尺表現(5)、標準化・オントロジー・統合化(5)、地図・GISと災害危険(5)、衛星利用地図(5)、地図史と空間情報科学(5)、などであった。ポスター発表は約200件で口頭発表会場をつなぐ通路を利用して行われた。なお、今回は査読結果により選ばれた十数編の論文がICA公認のジャーナル3誌(CaGIS, Cartographic Journal, Cartographica )に分担して掲載された。
 5)国際地図展・子供地図展:国際地図展はアトラスを含み約500点の展示があったが、近年の傾向であるA0判以上の大型の地図が目立った。子供地図展は約190点が参加し、世界の文化や環境の多様性を表した作品,地球環境悪化や南北格差などの問題を表した作品,グローバルなつながりを表した作品が多く見られた。
 6)見学会: 陸の基本図を作成するフランス国土地理院(IGN)、海の基本図を作成するフランス海軍水路海洋情報部(SHOM)、旧植民地を中心とする発展途上国の開発研究を行う開発調査研究所(IRD)、地図類100万枚を保有するフランス国立図書館(BnF)に対して見学会が実施された。SHOM(大西洋岸のブレストに立地)を除いていずれもパリ市内もしくは近郊に所在しており、大会期間中に半日程度のツアーとして行われた。
 7)各種ミーティング:執行部の運営会議、国の地図作成機関会議、コミッション代表者会議、地図展審査会議、各コミッションの集会などが大会期間中に開催された。
 次回開催予定
  総会を伴わない第26回国際地図学会議がドイツのドレスデンにおいて2013年8月25日~30日に開催される予定となっている。

フランス国立図書館で行われたガラディナー会場に展示されたルイ14世に献上されたコロネリ制作の直径4mの大地球儀
写真 フランス国立図書館で行われたガラディナー会場に展示されたルイ14世に献上されたコロネリ制作の直径4mの大地球儀

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